以前、”壊れたPCからハードディスクだけをとりだしてSATA-USB変換ケーブルに接続すれば、外付けハードディスクとして使えるよ”という記事を書きました。変換ケーブル自体は1000円くらいで買えるので、お店に持っていってデータを抜き出してもらうよりもずっと安上がりなんですよね(正直あれはぼったくりです笑)。

今回はその応用。Windows10が入ったSSD(HDDでも可)を壊れたPCから取り出して、変換アダプターで生きているPCにつないでそこからOSをUSBブートすれば昔のPCを復活できるよ!ってお話です。

私事ですが、学部1年から4年間使っていた自分のノートパソコンが壊れたんですよね。

なんか焦げ臭いな~って思ったらいきなりファンから煙が出てきて、中をのぞいたら一瞬、赤い光が見えて。

それっきりうんともすんとも言わなくなりました。

ずっと毎日使っていた愛着のあるPCだったし、卒論提出直前でデータと原稿はすべてそのPCに入っていたのでほんとパニクりました。

で、とりあえずデータだけはとりだせないと学部を卒業できないのでSSDを取り出しました。それからはそのSSDを外付けSSDとして使うことで研究室のPCで卒論は出したのですが、以前使っていた環境が恋しいので、新しい研究室のPCの設定をいじって前のPCのSSDからOSを起動できるようにしたんです。

ということで、その方法と注意点の備忘録。




簡単です。

修士から配属された新しい研究室で初期化されたデスクトップを与えられたのですが、まず、Cやpythonの環境をインストールすることから始めなきゃいけなくて面倒でした。そんなにプログラミングをやっていたわけではないですが、やっぱり今まで使っていたものの方が使い勝手いいです。

ノートパソコンが故障してから慌てて買ったPCはもう4か月以上使っているので、新しく導入したものを含めいろいろ使い勝手いい感じになってきましたが、それをまた研究室のPCに入れるのはどうかなって思ったんですよね・・・。

で、だったら壊れたPCのOSを研究室のデスクトップで起動させたらそうかとなと思って、ダメもとで故障したPCのSSDからブートしたらいけました笑。

SSDを起動デバイスとしてOSをUSBブートする図
マジで汚いですね。今は掃除してまあまあ綺麗になりました。

USBデバイスからのOSの起動の仕方

まずは古いPCからSSDもしくはHDDを取り出してください。

それで、取り出したものはUSBでPCと接続できる変換アダプタ付きのケースに入れましょう。


こんなやつ。アマゾンで3000円くらいで売ってます。できればケースが頑丈そうなやつ。ノートパソコンのSSDだったんでM.2 SATAでしたが、SSD(HDD)にあったケースを買ってください。


後はBIOSからUSBを選択して起動するだけです。

BIOSって何か知ってますか?(知ってる人は読み飛ばしてください)。聞いたことないという人はまずそこからだと思うのですが、簡単に言うとパソコンの本体(ハード/マザーボード)の制御をしてくれるプログラムで、電源をつけるとそのパソコンに最初から入っているBIOSが起動し、BIOSがOSをHDDやSSDからOS(windowsなど)を読み込み起動さるのです。

パソコンを立ち上げるとパソコンメーカーのロゴが表示されますよね?あの状態ではまだOSは立ち上がらずに、BIOSが起動の準備を一生懸命しています。

まぁ、BIOSを知りたい人は検索して調べてください。重要なことはBIOSがどこのデバイスに入っているどのOSを起動させるか決めているということです。だから、BIOSの設定画面で参照するデバイスの優先順位を変更して、故障したPCから取り出したHHDなりSSDを選択すれば簡単に前のシステムを復活させられるんです。設定はメーカによって違うので「メーカ名 BIOS ブート設定」で検索してください。

BIOSの操作については一通りこちらのサイトにまとまっていたので参考にしてもいいかもしれません。

新しくシリアル認証する必要がある

起動すると見覚えのあるアカウントが出てきて、パスワードを打つと普通にログインできて笑。

ホットしたのですが、ofiiceやadobe製品のシリアル認証ができていないというトラブルが発生しました。番号自体はそのまま使えたのでインターネット経由で認証できたのですが、以前のパソコンとはちがうPCとして認証されてしまいました。

シリアル認証は、インストールされたPCのCPUやマザーボードのロットやMACアドレスでそれぞれのPCを認識していて、ちょっとくらい構成が変わっても大丈夫らしいですが、さすがにSSDしか一致しないこのPCは別のパソコンとして認識されるんですね。あたりまえか笑。

ここはUSBブートの最も残念なところですね。開発環境に関しては最近はOSSのものが多いのでここは特に問題ないと思いますが、有料のIDEとか使っている人はここで引っかかります。あとは、普通に利用したい人はoficeが使えなくなることはネックですね。

割といい感じに動作

結局、皆さんが気になるのは故障PCから取り出したSSDのUSBブートはありか、なしかということだと思いますが、アリだと思います。最初は不具合がありましたが今は快適です。ネットの記事ではうまくいっきこないという意見が結構ありましたが、実際にやってない人の意見だと思います。

気になるのは速度ですが、USB3.0なら普通のM.2 SATAでつなぐのと速度は変わりません。(当然規格上のスペックは落ちると思いますが、普通にofficeとかを使ってる分には違いを体感することはないという意味です。そもそも移植前と移植後だとPCのスペックが違うので比較できません。あくまでボトルネックにはならないということ)

気を付けてほしいことは、省電力設定によってSSDの電源を切らせないことと、電力不足にならないようにすることです。

Windowsには外付けデバイスが使われていないとき、自動的に電力の供給を止めてしまう機能があるようなので、その設定をすべてOFFにしてください。

それでも電力不足になるようなら、USBから電力供給できるACアダプター付きUSBハブをPCとSSDにかませておくのがおすすめです。

電力不足になって動作がめっちゃ遅くなり、最悪フリーズしますが、これをつけてからは全くそんなことはなくなりました。

ほんと快適です。USBブートを考えている人はお試しあれ。

このほかにも物理的に接続が切れたりすると、即、OSがクラッシュしてしまいます。まだ、windowsではなったことないですがubuntuをUSBメモリーに入れて使ってた時は6回クラッシュしたら立ち上がらなくなりました。(給電できるハブをはさんでおけば一瞬接触が悪くなったぐらいならOSが落ちるのを防ぐことができます)

憑依させたPCが12コアのxeonプロセッサでできたシュミレーション用の超高性能PCなのでフォトショのようなスペックのいる作業はこっちをメインにやっています。以前のノートの環境(xps13 i7)よりも格段に速度が向上しました。

でも、いつぶっ壊れるかわからないのでファイル全部クラウドに保存してますね。

用心していれば問題ないでしょう。

[追記]あまりにも普通に使っているので、SATAケーブルでマザーボードに直接さすやり方も試そうかと思います。

いままで使っていて困ったことは、昨年の春に来た大型アップデートのバージョン1803が入りません。ただ、1703の更新はまだ継続されていて、セキュリティー面では大丈夫だと思います。もしも、1703のサポートがなくなったら対応する必要があるかもしれません。未検証ですし、エラーメッセージがよくわからないのですが、usb接続を止めてくれという趣旨のメッセージが出てきます。噂でwindows10の大型アップデート時にuebポートに何か刺さっていると失敗することがあるらしいのでそれが理由だ思うのですが、もしかすると1803以降のwindows10はUSBブートできないという可能性もなくはないと思います。

それでは。