G検定で出題される可能性のある人物名をまとめます。年齢は2020時点

 

第一次AIブーム時の著名人 [1960年代]

 

ジョン・マッカーシー (John McCarthy、故人

AIという言葉を定義したダートマス会議を発議した人です。世界初の対話システムELIZAの開発言語であるLISPというプログラミング言語を開発しました。

ダートマス会議にはジョン・マッカーシーの他にシャノンの完全機械やシャノンの定理で有名なクロード・シャノンや探索木を使った世界初のAIロジックセオリストを開発したニューウェルとサイモンなどが参加していました。

 

マービン・ミンスキー (Marvin Minsky、 故人

MIT人工知能研究所(現CSAIL)の創始者です。

ジョン・マッカーシーがダートマス会議で第一次AIブームを引き起こしたとしたら、この人は単純パーセプトロンの限界を証明して第一次AIブームの終わらせた人です(つまり第一次AIブームはジョン・マッカーシーから始まりマービン・ミンスキーによって終わるということになります)。

この単純パーセプトロンの限界とは線形問題しか解けないというもので、例えばANDは表現できますがXORみたいな複雑な分類はできないという問題でした。ちなみに層を増やすことでこの問題は解決するので、それが多層化(深層化)が進んでいった理由になっています。

 

アーサー・リー・サミュエル Arthur Lee Samuel、故人)

戦時中はレーダーの改良をベル研究所で行っていた。IBMに移ったのちチェッカー(チェスのようなゲーム?)の対戦相手プログラム(CP、COM的なもの)を作成しました。探索木によって到達可能な盤面を評価し、これまでの盤面と対応する評価のデータを記憶しておくことで、対戦するほどに強くなっていくそうです。

最初にゲームのCPに学習を取り入れた人物で、AIの開発者たちの2世代前にベル研究所やIBMで活躍した人物だと覚えておけばいいと思います。

機械学習を明示的にプログラムしなくても学習する能力を与えることと定義しました。

 

 

 

第二次AIブーム時の著名人 [1980年代]

 

ヒューゴ・デ・ガリス (Hugo de Garis、73歳)

第二次AIブームの人で、現在は引退されています。第二次の人では珍しくありませんが、どちらかというと脳よりの人で今で言う全脳アーキテクチャ的な仕事をしていたのだと思います。

人工知能の能力について「シンギュラリティは21世紀の後半に起こり、人工知能は人間の知能の1兆の1兆倍(10の24乗)」と予想しています。

 

テリー・ウィノグラード (Terry Winograd、74歳)

文章を3DCG化するSHRDLUという自然言語処理プログラム作成した人です。

AIの実用化には否定的な立場をとっています。

googleの創立者ラリー・ペイジの師だったりします。

 

ファイゲンバウム  (Edward Albert Feigenbaum、 84歳)

第二次AIブームの際に流行ったエキスパートシステムの父と呼ばれている人です。

 

デビッド・ラメルハート (David Rumelhart、故人)

バックプロパゲーションを考案した認知心理学者です。時系列データや未来予測を行えるRNN(再起型ニューラルネットワーク)もこの人の研究です。

 

ジョン・ホップフィールド (John Joseph Hopfield、86歳)

ホップフィールド・ネットワークの発案者です。自分的には脳科学よりの人だと思っています。ホップフィールド・ネットワーク自体はAI分野でもかなり応用されていました。

余談ですが計算神経科学では脳内で視覚や聴覚からの刺激と意味要素を結ぶつける際の過程を表すときに使う人が昔からいます。

 

 

第三次AIブーム時の著名人 [2000年代以後]

 

ジェフリー・ヒントン (Geoffrey Hinton、72歳)

現代AI、深層学習の父的な存在です。第二次ブームが終わって下火になっていたバックプロパゲーションやパーセプトロンを多層化することで応用範囲を広げた人物で第3次AIブーム火付け人みたいな人です。

2012年のでILSVRC(画像認識の世界最大のコンペ)で自信が開発したCNN、super visionで優勝しました。

もともと認知心理学の人で、第二次の時からバックプロパゲーションやボルツマンマシンの開発に携わってましたが冬の時代が到来しても研究を続け、深層学習や畳み込みニューラルネットワークの開発に長年貢献し続けました。

この人の功績が一番デカいと思います。

 

ヤン・ルカン (Yann LeCun、59歳)

facebookでAIに関する研究を行っている人です。AIの父の一人であるジェフリー・ヒントンの研究室に所属し、ベル研究所経てニューヨーク大学とFacebookの人工知能研究所の要職についています。エリートですね。NECの北米研究所にいたこともあるそうです。

第3次ブーム真っ只中の人で、LeNetを1998年に発表してCNNの有益性を世に知らしめた人です。

 

ヨシュア・ベンジオ (Yoshua Bengio、 56歳)

深層学習の開発者としてはジェフリー・ヒントンとヤン・ルカンの他にヨシュア・ベンジオも有名です。

ベル研究所で上記の二人と一緒に仕事をしていました。IBMの商用AIワトソンの開発にも携わっているとか・・・。

 

トマス・ミコロフ (Tomas Mikolov、 38歳)

自然言語処理のために、言葉を多次元のベクトルで表すことでコンピュータに単語の意味を認知させる技術をWord2Vecを開発しその改良版のfastTextの開発に携わった人です。

チェコの情報科学者でgoogleでもfacebookでもMicrosoftでも働いたことがあるみたいです。公式本に出てくる人の中では最年少だと思います。真正の天才ですね。

 

イアン・グッドフェロー (Ian J. Goodfellow)

GAN(敵対生成ネットワーク)の開発者です。google brainにも在籍していました(現在はAppleにいるみたいです)。

深層学習の有名な教科書であるDeep Learningの著者でもあります。

 

 

ユルゲン・シュミットフーバー (JurgenSchmidhuber)

ゼップ・ホフレイター(Sepp Hochreiter)と共にRNNの学習則であるLSTMを開発しました。

 

 

アンドリュー・ン(Andrew Ng

人工知能研究者、投資家、起業家、バイドゥの副社長、google brainの設立者、Courseraの設立者、スタンダード大教授 何者なんでしょうか?

 

 

未来予想家、問題定義者、作家、実業家

 

レイ・カーツワイル (Ray Kurzweil、72歳

アメリカの発明家兼未来予想化。現Google。

学生時代から、作曲やデータベース管理に関するソフトウェアを開発し、教育技術、医療技術に長年貢献してきた人物。近年はGoogleで自然言語処理の研究を進めている。Wikipwdia曰く死亡した場合は冷凍保存され、蘇生技術が進歩した際に生き返らせることになっているとか。

2045年にシンギュラリティが起きると予想しました。技術的特異点という概念を提唱したのはこの人みたいです。

AIの進展に関してはあまり関わっていないような、技術者としてITの発展に多大な貢献をした人物ですし四択問題の選択肢の一つとして混ぜられていることがあるので覚えておいて損はないかと。

 

イーロン・マスク (Elon Reeve Musk、48歳)

技術者、実業家、PayPal、テスラ、スペースXの創業者。

人工知能、機械学習に関する功績は見当たらないので間違いの選択肢になると思います。シンギュラリティに対して危機感を持っていてOpenAIという研究機関を作ったりしています。

 

ヴァーナー・ヴィンジ (Vernor Vinge、76歳)

計算機科学者兼、作家。シンギュラリティを題材に小説を発表されて、AIや技術的特異点という概念を一般にひろめた人物です。

この人にとってのシンギュラリティは「機械が人間の役に立つふりをしなくなる日」つまりマシンがマシンのために動き出すというSFっぽい表現になってます。

 

オレン・エツィオーニ (Oren Etzioni、56歳

ワシントン大教授、実業家、アレン人工知能研究所所長。

「シンギュラリティによって人類が滅ばされるというアイディアはばかげている」、「むしろ脅威は人間がAIを過信しすぎること」とかなり現実主義的なことを言っています(宇宙への秘密の鍵で有名なホーキング博士は人はAIによって滅ぼされると予想されているので真っ向から対立していますね笑)

 

ロジャー・ペンローズ (Roger Penrose、89歳)

数学者、宇宙物理学、理論物理学者。

量子物理学の観点から現在のAIのニューロンモデルでは人の脳の働き完全に再現するのは不可能=強いAI(汎用AI)AIは実現不可能と予想しています。全能アーキテクチャとは相反する価値観ですね。

 

アラン・チューリング (Alan Turing、 故人

数学者、計算機科学者。

暗号を解読して映画になるくらい有名な人です。チューリングテストという人がAIと対話してどれだけ多くの人に人と対話していると思わせられるかという指標を考案しました。

 

スティーブン・ハルナット (Stevan Harnad、 75歳)

シンボルグラウンディング問題を定義しました。

シンボルグラウンディング問題は言語内に存在するシンボル、例えば雲とか白とかといった単語(シンボル)を機械が概念と紐づけることができないという課題で自然言語処理では様々な手法でこの問題を解決しています。

 

 

計算神経科学の人

 

あまりG検定には出なそうですが、計算神経科学をやっていたので個人的にぜひ出題してほしい人をまとめました。NNという観点ではものすごく重要な人たちのでぜひ見っててください。

アラン・ホジキンアンドリュー・ハクスリー

ニューロンという概念を作った人です。以下の巨大な神経の電気的特性を計測し等価回路に置き換えることで世界初のニューロンモデル、ホジキン=ハクスレイモデルを作成しました。

戦前の話でこの時のニューロンモデルはニューロン単独でその性質をシミュレーションするためのものでしたが、細胞膜上のイオンチャネルレベルで膜電位をシミュレーションするモデルなので神経細胞のシミュレーションモデルとしては一番現実の神経細胞に近い挙動を示します。二人はこの仕事でノーベル賞を受賞しています。

この神経細胞をより簡略したモデルを複数接続したものがニューラルネットワークの始まりになります。パーセプトロンなどで使われる形式ニューロンとはことなり発火という概念が存在します。

G検定には出にくい内容ですが、そもそもNNとは?って話には欠かせない人だと思います。

 

デビッド・マー (David Marr、 故人)

小脳が階層構造になっていることや、視覚野での情報処理方法を解き明かした人です。1980年に白血病で亡くなってしまうのんですが、遺作となった「VISION」という本は今でも神経科学や認知心理学の人の教科書になっている(と思う?)ので、その影響力は計り知れないと思います。僕も修士時代に移った計算神経科学の研究室での初日にこの本を渡されて読んで来いといわれました。

ここに出てきた人はCSや統計出身の人も多いですが、ジェフリー・ヒントンのように脳科学系の人も多いので深層学習やCNNの開発にはこの人の研究からインスピレーション受けた部分があかんらずあると思っています。

 

随時更新する予定ですが、現在僕もG検定を受ける前ですしページの改良のために訂正や追記のアドバイスをいただければと思います。

編集中これもこの人の功績なのか!!と思うことが多くて結構ムネアツでした。ジェフリー・ヒントンは本当にヤバいですね。日本人がいないのが少し悲しいかな・・・。

 

それでは。