大学生の当時、日々の生活のなかで一番嫌だなと感じることは、学部1年生から3年生までやっていたスーパーのレジ打ちのバイトでした。

西調布の川沿いのスーパーで廃棄のお弁当目当てで働いていたのですが、そこのスーパーは激安を売りにした店舗で、調布以外にも稲城や狛江からわざわざ買い出しにくるお客さんもいました(調布の方はこれでどこのスーパーのことかわかると思います)。

一日中、レジの列は途切れないし、混んでるときはレジがある店舗の北側から反対の南側の精肉コーナーがある壁まで連なることがあり、そうなると数時間ぶっ通しでレジ打ちをしなければいけなくなります(もちろんトイレ休憩に行けません)。そうなるとお客さんも待たされすぎてかなりイライラしていて高圧的になるのですごく嫌でした。

まぁ、街はずれの激安店ですしお店に来る人の民度は低めだったのかもしれません(どこもそうかもしれませんが万引きも多くて、カップラーメンやお酒をよく段ボール箱ごと盗まれてました)。

レジ打ちに中に常連のおじいちゃんの頭を大根でぶっ叩いてしまった

お酒を買いに来る高校生とかもよくいて、1か月に一回くらいは年齢確認したら未成年だったので追い返すこともありました。大体追い返すと悪態つかれるのでそれも嫌でしたね。

よく、身分証で生年月日が記載された家族に診察券を持ってくる高校生がいましたが、診察券じゃ年齢確認できないから免許書とか保険証を出してくれと頼むのが面倒でした。

お酒というと、やたら手が震えた年配の方が4Lのボトルの焼酎を買いに来ていました。で、大体そういうおじいちゃんは手が震えて財布の小銭が自分で選べず、無言で財布ごと差し出してくるんですよね。

しょうがないので預かった財布から店員の自分がお金を出してレジに通して清算して財布を返していました。

そのなかでも自分がバイトしていた時に一番、限界に近いおじいちゃんがいて、そのおじいちゃんはチェッカーで登録後の商品のかごの中身を頭を乗り出してのぞき込む癖があったんですね。

普通に商品を置きづらいので「身を乗り出さないでいただけますか?」、「のぞきこまないでください」で言っていたんですが、話が通じないのかいつも全く反応はありませんでした。

それどころか、そのおじいちゃんがしゃべったところも一回も見たことがなく、かなり命の限界を感じてしまうおじいちゃんでした。

若干話はズレますが、その店舗ではレジ打ちにレジの登録スピードの向上を常に課していて(接客の教育はまったくしないのに)、一番速度の出るレジの打ち方を教育されてました。説明するのは難しいですが、目はレジのチェッカーのレーザーとディスプレイの商品と値段を同一視しながら、商品の値段を読み上げて(この読み上げがかなりめんどくさい)、右側の登録前の商品のかごから右手で中身を見ずに、商品を手に取り、さらに同時に左手で登録後の商品を左のかごを見ずにかごの中身を想像しながら配置していくことを練習させられていました。

自分も一年くらいやっていたらかなり板についてきて、登録後のかごは全く見なくてもきれいにかごの中に商品を配置できるようになってきたんですね。

そこで、悲劇は起きました。

例の限界おじいちゃんがいつもよりもさらに前のめりでかごの中身を覗き込んだタイミングでたまたま自分がノールックで大根をかごの真ん中に配置してしまいました。

大根はその限界おじいちゃんの頭を殴打し、おじいちゃんの頭部はかごの中へと落ちていきました。

一瞬の間をあけて「申し訳けありません」と叫んだのですが、しばらく限界おじいちゃんはかごに頭を突っ込んだまま動かず、しばらくすると「うーうー」とうなりながら顔を上げ、いつもどおり清算時に自分に財布を渡して会計したあと、焼酎のボトルと大根を抱えて店から出ていきました。

あわや傷害罪、クレームを入れられたら大変なことになると思いながらとりあえず一部始終を社員に伝えたのですが、その一週間後も普通に限界おじいちゃんは何事もなかったように一切しゃべらずに来店しました。

その後も半年くらいは来ていたんですが、ある日パタッと来なくなって、店の近くに住んでいる長年レジ打ちをやっているおばちゃんのバイトの方が「○○さん来なくなったやったわね」とさみしそうに言ったのを聞いて限界おじいちゃんの運命を察しました(少しほっとした自分に罪悪感を感じました)。

もっと楽で給料が高くて面白いバイトがあることを知って辞めてしまった

廃棄のお惣菜目当てで始めたバイトでしたが、激安店で人件費を渋っているせいか本当に忙しくて、それでもって最低賃金なのでかなり不満がありました。

昼間に長蛇の列ができるのも嫌だったのですが、深夜帯にたまに社員がいなくなってレジ打ちの自分がバイトなのにワンオペになることもあってそれも嫌でしたね。

結構怖いお客さんも来ますし、バイトだと返金処理などできないことも多いのでレジの打ち間違いをしたり、クレームを入れられたらどうしようと思っていました(一回ワンオペ中にお客さんの前で号泣したことがあります)。

そのうちに、世の中にいろいろなバイトがあることをしり、なんでこんなところで働いているのだろうと思うようになり辞めました(総菜もあんまりおいしくなかったですし・・・)。

大学に雇用されるバイトは学内でできて移動する必要がありませんし、基本やっている人も知っている先生や事務員さんなので融通聞いて金払いがよかったですし、Jリーグの試合の物販のバイトをやっていたいときは毎回同年代のスタッフとJリーグのサポーター相手に接客していてお祭り感覚で楽しかったです(あとたまに崎陽軒のシュウマイ弁当が昼食で提供された)。

ということで、楽で楽しくてお金をたくさんもらえる仕事はたくさんあるので、仕事は選ぼうという話でした。といいつつ、今の自分の仕事ってどうなんだろうって感じですが、あのスーパーのレジ打ちとは比べ物にならないくらいお金もらえますし、レジ打ちよりつらいタスクはないのであのバイトよりは確実にいいとマシだと思います。

 

それでは。