理系の実験レポートの書き方について書いていきたいと思います。このテーマは僕が一番このサイト書きたかったことで、適当に書きたくないから今まで温めてました。、3年間ひたすら実験レポートを書いてきて、今やっと実験レポートを書かなくてよくなったぽいので、この機会に自分なりの実験レポートの書き方を紹介したいと思います。

なぜ、僕がこのテーマをそんなに重視するかというと、理系の生徒にとってレポートを書くことが最も重要な営みだと思っているからです。書くって行為は文系的だって思いますよね。でも実際に理系の大学生になってみればわかりますが、大学生になると文章を書く機会がめちゃくちゃ増えます。そして、大学で得る自分自身の評価は自分自身に対するものではなく、自分が書いた文章に対して先生方がつけた評価だと気づくんです。

例えば、科学物質を合成する実験をするとして。一日かけて頑張って合成した愛しい試験管の中の液体は誰に見られることもなく、特性を調べたらすぐに廃液として捨てられます。上手くいってもいってもいかなくても、それはほとんど自己満足の次元でどうでもいいんです。また、先生たちは実験している生徒の姿勢や手つきにも興味はありません(むしろ、失敗した方が学ぶことが多い・・・)。じゃぁ、何があなたの評価になるかというと実験レポートのデキです。キャリアの授業でも、企業の事業所を見学して、評価の対象は後日書いたレポートです。座学の教科のテストも説明問題のウェイトも高まりますし。難問は途中式や理論の説明で点を稼ぐ必要があります。

何で、こんなに書くことを要求されるか。疑問を持つ人がほとんどだと思いますが、それは卒業しても書くことが要求されるからでほかなりません。世の中に名を遺した科学者のように若いうちに世の中をひっくり返してしまうような発見ができれば、自分の成果をわざわざ文章にして説明する必要がありませんが、そうじゃない人は自分がやったことはわかりやすく正確に文章にして読んでもらわなければ、だれにも評価されないんです。企業で既存の製品の改良に成功しても、前任者の製品から何が変わったのか、文章にして上司に伝えなければならいし、小さな企業では消費者に伝えるところまで自分でやることになるかもしれません。特に、研究者は研究結果を論文に書くところまでがお仕事です。

理系も”文”系も文章を書く。じゃぁ、理系と文系の違いって何だって話になりますが、この答は書く文章の性質にあります。文系が書くこと自体が創造する行為なので文章そのものを作ります。一番わかりやすいのが広告業(CMとか)でしょうか。僕は勝手に広告業を文系の花形って思ってるんですが、広告を作る人って商品やサービスの魅力を何倍にも膨らまして、引っ張って、付け加えて、こねて、着色して、まったく別のものにして消費者に届けます。目的はお客さんの心を動かすこと。だから、時には何もないところから無理やり何かを作りあげる事さえできます。例えば通信キャリアのCMなんかその典型で、通信という極めて理系的な事象を完全に無視して、全く関係ない家族物語とか、英雄伝とか、キノコをゼロからでっち上げてしまいます。すごすぎです。作った文章よりも、その文章で人がどのように感じるかを重視するんです。それに対して理系の書く文章は現実に存在するものをありのままに、わかりやすく、簡単に説明するためにあります。簡単なら簡単なほどいいんです。わかりやすくするために多少のデフォルメはしても、でっち上げはしません。何もないところとか、不十分のところから何かを生み出そうとすると、小保方さんのようにオミットされちゃいます。もし小保方さんが文系だったら、世界中で炎上して、メディアにも取り上げられて、あれから輝かしい有名人としてのキャリアが始まってました。でも研究者はそうはいかないんです。

理系の文章の1つの指針として再現性があるってことが重要になります。これは文章を読んだ人が、文章に書いてある現象をちゃんと再現できるかということ。数年前、世間を騒がせた小保方さんの論文は誰も小保方さんの文章を読んで、その実験を再現できなかったので問題になりました。そもそも実験自体に問題があったので論外ですが、実験はちゃんとしても文章がだめで再現できなければ、実験もすべてダメだったことになってしまいます。ですから、なるべく正確に書く必要があるのです。

個人的にあの事件の真相は本当に知りたいです。結局、メディアも飽きて迷宮入りしましたが理系である以上人ごとじゃないって気がします。誰もが彼女になる可能性があるみたいな。特に僕は笑。

まくらがめちゃくちゃ長くなりましたが、伝えたいことは、理系も文章を書くことは大事ってこと。計算だけじゃないんです。そしてその文章は僕がここで書いているものみたい稚拙で回りくどくて、文法が間違ってる文章ではなくて、簡潔でわかりやすい文章。ちなみに僕もレポートを書いてるときはもうちょっとまともな文章を書きます。ほんとです。

まだ導入ですが、長くなったので要点だけ箇条書きでまとめてこの記事は終わりにします。

  1. 過去レポは集める。
  2. 一番重要なのは体裁。
  3. データ(表、グラフ)は美しく。
  4. 定性的ではなく、定量的な文章を書く。
  5. 準備に時間をかける。
  6. だらだらやらない。

 

ってとこでしょうか。この項目の説明は次回の記事でしたいと思います。