今月、学部1年生から修士2年生まで6年間通った電気通信大学を卒業します。
新型コロナウイルスの影響で卒業式はやるのかわかりませんけど、大学に行くのはたぶん卒業式だけになりますね。
「やっと終わった・・・」って感じですけど、でも少し寂しい気もします。まぁ、調布のキャンパスは自分にとっては随分と居心地がよかったです。
話は変わりますが、就活中に企業研究で企業名をネットで検索していると、”退職エントリー”なるものをよく目にしました。
退職エントリーとはメーカーやIT系の会社を辞めるエンジニアがこれまでの自分のキャリアをまとめてネットに書き残しておくもののようです。
正直、内部で働いているいる人は企業の内情をぶっちゃけて話してくれませんが、退職した方は外部の人間として客観的にその会社で働くということを語ってくれるので、個人的にかなり参考にしていました。
ということで、ガチエンジニアの方が書く退職エントリーというものを大学院を卒業した僕も卒業エントリーとして書いてみようと思います。
受験生向けた電通大の学生視点の評判・レビューってとこでしょうか(内容は理工系の大学全般のことが半分、電通大特有のことが半分)。めちゃめちゃ長いのですが、大学研究にはなると思うので読んでいってください。
結局、電気通信大学で学んで良かったのか?
最初に抽象的な話をして、徐々に具体化させていきたいと思います。
まずは、「ぶっちゃけ電気通信大学に所属していてよかったのか」ということですが、自分的には良かったと思います。
何をもって良しということにするかは大学に進学する目的によって異なるし、他の大学の話は人づてにしか聞いたことがないので比較するのは難しいですが、
少なくとも自分のような人間には合っていました。
それじゃぁ、どういう人が電通大に合ってるかというと
- 理系であり、研究・開発に興味がある(大前提)
- 大学時代にしたいことをするよりも、卒業後のキャリアのなかでしたいことを実現したい
- 知識や資格よりも経験を積みたい
といったところじゃないでしょうか。いずれも電通大だけじゃなくて工学部・理工学部の単科大学全般に言えることです。
そこにプラス電通大だけの特徴というと、国立、都心にそこそこ近い、入学難易度がそこまで高くなく、入学難易度に対する就活時の評価のコストパフォーマンスが高いということが挙げられると思います。
こういった特徴が自分に合っているという人は、電通大に行って損はないのではないでしょうか。少なくとも自分はそうでした。
電通大生は就職市場では確かに強い
これは入学前からうわさで聞いていましたし、入学後も就活中の先輩からよく聞かされていましたが、自分が就職活動をしてみてひしひしと感じました。
周りの人間もそうでしたが、学歴不足で入社したい企業に落とされるということはまずなかったです。
あとはその人自身の適性と対策次第でどこにでも行けるなと感じました。
単純に自分が就活した年がたまたま売り手有利な年だっただけかもしれませんが、
自動車メーカー志望の友人は、1番大きなところと2番手のところ両方から内定をもらっていましたし、
通信キャリアを志望していた友人は、大手キャリアすべて受かっていました。
自分はSIという業界を志望していましたが、その業界で最王手の会社10社ほど受けて落とされることは一度もなく5社内定、5社面接途中で辞退という感じでした。
ただ、どこでも行けるというわけじゃなくて強い業界が限られます。単科大学なのでしょうがないですが、IT企業とメーカーにはめっぽう強いですが、同じ理系企業でも食品や製薬などには通用しないと感じました。意外と材料や化学、建築、コンサル、メディアにもある程度重宝されますが、やっぱりITとメーカーに就職する場合の方が楽だと思っています。
そもそも、理系企業は実力重視の採用をしますし、文系よりは専門分野を重視するので、学歴よりもその学生特有の能力を評価基準にする傾向が強いというのはありますね。IT系の中でもここ数年ベンチャー企業として急成長を遂げたいわゆるweb系の会社はさらにその傾向が強いので、技術や分野が完全にマッチしていないと雇ってくれないですが、電通生が持っている技術や分野は学術的なニッチなものなので、そこにギャップが生じて、個人的に独学で産業よりの技術を学んでいた人以外は落とされるということが多いと思います(自分はweb系の会社が一番苦戦しました)。
で、電通生が就職に強い理由は2つあると思っています。
一つ目は、ブランドやキャンパスライフよりもその後のキャリアを重視する人が集まってくるし、そういう人じゃないとやっていけない(というよりも、そういう価値観に染まってしまう)ので、OBの方が上に挙げた業界でちゃんと結果を出しているからです。
あとは、電気通信の名前からわかるように紆余曲折はありますが情報通信分野の研究が盛んで、さらに時代のキーになる技術を先回りにして研究するという運営方針から他の大学に先んじてIT人材を多く輩出してきました。そこに、産業のIT化が起こったので電通生の需要が上がったのだと思ってます(個人的にそう思っているだけです)。
金業、医療、流通といった今までITとは無縁だった企業が最近急速にIT企業化してきているという話を耳にしたことはありませんか?そういう会社にはたいていIT化担当の職種の人がいて、こういった職種にはIT人材が必要になります。なんで、一見電通大とは関係ない企業でもITに関わる職種に応募すれば、どの業界にも行けます。
ただ逆にそれ以外のことがしたい人は、「お金が扱いたくて金融会社に行ったのに、実際に与えられる仕事はIT担当としてPCを扱う仕事ばかりだった」みたいな話はよく聞ききますね。
電気通信大だからって情報通信だけやっているわけじゃない
ITにフォーカスした話をしすぎたので一応書いておきますが、電通大は情報通信だけをやっているわけじゃないです。研究室の3分の1は機械や半導体といったハードウェアをやってますし、生物や化学、物理とカバーしている分野は結構広いです。
個人的には研究にコンピュータを使えば何でもやっていい大学だと思っています。ただこのご時世、コンピュータなしで成立する研究って存在しないです。なんで、例えば普通に文系の先生が文章をコンピュータでデータベース化して言葉の持つ印象を研究していたりします。
だから、ITだけの大学ではないんです。プログラミングが嫌いで就職先はゴリゴリの機械設計って人も結構います。
ただ、やっぱり世間から求められていることはITなんでそこにミスマッチが生じるってことがないわけじゃないですし、そこは先生たちもわかっているので対策講じている(講じようとしている)みたい。
僕がここにやってきたあたりからITの次に来るのはバイオだ的な感じで、バイオテクノロジー(DNAとか抗体とか)を強化しているようなですが、バイオやっている企業にOBがあまりいないので、製薬会社などに就職する人はあまりいないですね。
産業界自体も一般的にバイオテクノロジーでイメージされているような技術革新は起こっていないので、工学×生物というバックグラウンド持つ学生の需要もないというのが実情だと思います(最近製薬会社とかに行く人も出てきたと聞きますが多くないです)。これは神のみぞ知るところですが、もし今のAIやIoTのようにバイオも産業(工業)として注目されるようになったら電通生の活躍する場も増えるのではないかと思っています。
電通大はあくまでも理工学部です。工学部や高専と違ってそこまで技術に特化してない
大学のバイトやボランティアで、受験生の質問に答えるという機会が何度かあったのですが、電通大を職業専門学校みたいに考えている人が多々いました。自分もこの大学を志望した浪人時代は大学受験でとにかく苦労したので、就活は楽したいと思い、就職が強いという噂を信じてこの大学に出願しました。
ただ、大学でやる勉強は社会に出てからの仕事のためにやるんじゃなくて、4年生から配属される研究室でちゃんと研究できるため勉強です。それにいろいろ異論はあると思いますが、あくまでこの世界の王道の進路は10年近く大学に残って博士号を取得し、研究者としてのキャリアを歩むことなんで(実際にそうする人は5%もいない)、社会に出て直接役に立つ技術をたくさん学べるかというとそうでもないです。
具体的な例を挙げるとプログラミングをする機会はたくさんありますが、PythonやJava、Ruby、C++のような企業で使うプログラム言語を勉強する機会はほとんどなくて、大学で使っている言語はC、MATLAB、FORTRAN、Rのように古かったり、研究にしか使えないものばかりです。
さらにいうと、ここは名前の通り理工学部なので、工学部や高専のように直接的に産業に結びつく研究をしているわけじゃなかったりします。「科学的なことを工学的なアプローチで迫る」という表現がうちのやっていることに一番しっくりきます。
だから、同じ情報(IT)でも情報工学部のイメージのような、企業とガンガン共同研究していて、先生も企業出身の人ばっかり、学生はみんな特許をとるみたいなことはあまり聞いたことありません。たまに、企業出身の先生でそういうことをしている人いますけど、共同研究できたらいいね・・・、特許取れたらいいね・・・ぐらいです。
同じ様な質問で受験生から「資格は取れますか?」ということを聞かれますが、大学に言われたことだけやってるのでは取れません。
たしか、一つだけ卒業時に自動的にもらえる資格がありますが、名前を思い出せないので多分どうでもいい資格なんだと思います。
これはこの業界全般に言えることですが、開発、研究、製造の世界に、医師免許や弁護士資格、運転免許に調理師免許のようなこの資格がないとこれができないという資格はほとんど存在しないんですよね(強いて言うなら気象予報士資格とか?)。
なんで、とっておいた方がいい、持っていて当然の資格はありますが、持っているからといってそれで生活できるような資格はありません。
あくまで、大事なのは能力という抽象的なもので、資格は研究者でいう論文や、学会発表、開発者でいう成果物や関わったプロジェクトのように自分の能力を証明するものという認識です。
だから、必要な資格があるのならみんな自分でとります。でも、ちゃんと能力が身についているならそれに関係する資格も取れるはずですよね。去年の夏に基本情報技術者試験という国家資格をとりました。この資格は普通は取得するまで200時間勉強する必要があるらしいですが、4、50時間勉強したら合格できました。
もしも、実践的なスキルで身に着けたいものがあるのなら、早めに長期休みなどを使って自分で習得することをお勧めします。で、ある程度身についたらインターンに参加したり、同じような仲間と共に実際にそのスキルを使ってみてください。
とにかくストイックな人が多かった
いままでは、大学全体の話をしてきましたが、今度は電通大生個人について書いていきたいと思います。
中学校、高校、予備校、大学、大学院と勉強や部活を通じていろんなやつと関わってきましたが、この大学の人間はこれまでにかかかわった人たちと比べると、明らかに自分に厳しい人が多かったです。
まぁ、ある程度入学難易度の高い大学の学生は自分に厳しい人が増えると思いますが、電通大生はさらに、他人に期待しない、よくも悪くも自分の力量で何とかする傾向があるなと感じました。
チームワークというよりは、一人一人が自分の責任を果たすことで組織が回っているイメージ。
逆に、他人についつい期待してしてしまうところがあるので、見習わなければと思う反面、もうちょっと協力して進めてもいいのではと思っていました。
なんで、全体主義なのか個人主義なのかというと、個人主義の人が多かったです。ただ、僕は割と全体主義的なやり方で生きていたので、チーム戦を好む人がやっていけないわけではないと思います。
いわゆるキャンパスライフは存在しない
ドラマの中の大学生のようないわゆるなキャンパスライフは存在しないです笑。
朝学校に行ったら、授業を受け、実験で器材を扱い、放課後はバイトをするか実験レポートを書きます。
理工系の学部の学生の生活において、この実験レポートを書くという行為はかなりのウエイトを占めてい、毎週、実験課題とレポートが課されます。
実験は、方法と結果があらかじめ決まっている研究で、その報告書であるレポートとはA4用紙30枚程度の小さな論文のことです。
これが大学の教育カリキュラムの一番大事なところで、既知の科学的なことがらに対する研究を高速で経験していくことで、いつの間にか未知のことに対しても研究できるようになるというわけです。
基本的に週初めにレポートを提出して、その日に半日かけて次の課題の実験データをとり、放課後、土日を使ってレポートを仕上げてまた次の週に提出するというサイクルをひたすら回すことになります(ちなみに僕は6年間で5社で計半年間インターンとして働きましたが、大学生活と社員生活ってあまり変わらないなって感じてましたね)。
サークル(部活)でフットサル週4でしていて、日曜日は対外試合で一日つぶれてましたし、週2でバイトもしていたので、レポート提出前日には必ず徹夜をしてレポートを書くことが習慣化していました。
すでにものすごくカツカツな生活をしているので、例えばオールで友達と飲み会をしようものなら、そのサイクルが崩壊して成績や体調に影響が出ます笑。
まぁ、大学のチームでフットサルの学生リーグに出ていたのでさらに追い込まれたというのはありますが、大学時代にすることって勉強だけじゃないのでみんなそれぞれ忙しそうでした。
だからもし勉強以外でしたことがあるなら、長期休暇にすることになると思います(長期休暇は休暇ではない)。自分は海外への漠然とした憧れがあったので、長期休暇に語学留学や海外インターンに行っていました。
で、2年の終わりにアメリカに語学留学したのですが、そこで放課後に毎日、今日はどこで遊ぼうか?という話になって、これが普通の学生生活なのか!と驚愕したことをおぼえてます(多分遊ぶことで日常会話を学ぶというのもあったかも・・・。あと理系文系とか国の違いもありますしね。割と中国の人はまじめで、中東の人は遊んでた)。
人は(というより僕は)流される生き物なので、その環境にいた自分はみんなと同じように毎日いろんなところに行ってました。大学帰りにショッピングモールに行くなんて、こっちの生活ではありえませんが、市内のショッピングモールを制覇してましたね笑。ただ、一年続くプログラムの最初の一か月だけ参加して自分だけ帰国しましたが、帰ってきてあの生活は精神的に続かないなと思いました。
そこで、思ったのですが、自分含めて電通生は絞られているから遊ばないのではなくて、そもそもプライベートを楽しむことを重視していなくて、充実した生活を送るには勉強することが大事だと考えているのからかもしれません(まぁ、そうじゃない人もここでは流されてまじめに勉強することになります)。
大学生は勉強だけしていればいいと考えている人が、学生も教員も多いように感じました。でも、僕は全くそういう風に思っていなかったので、サークルにバイトにボランティアにいろいろやってました。海外にもアメリカに1か月、台湾に3か月いましたし、国内のインターンにもよく行ってました。このブログもその一つで、学部4年から始めて200記事書いて、今は月に4万人の人に読んでもらってます。
ただ、自分で行動を起こさないと勉強漬けの日々になってしまいます。それが嫌なら行動を起こすしかないです。
例えば、学内だけでサークルに学生(とくに女子を笑)を集めるのは大変なので、4月になると調布近辺の4つ大学にビラを配りに行っていましたし、都内の会場を貸切ってイベントを企画したりもしていましたね。
海外インターンに行った際も、海外の研究所に派遣する学生を探している先生がいるという噂を聞いて、直談判して自分を候補に入れてもらいました。
こういう環境だからこそ行動している人はかなり行動的だったと思います。自分を含めもとは内向的な人が多い大学ですが、遅かれ早かれみんな受け身では他人の言われたことをただ実行する力しか身につかないことに気づいて、自己実現のために動き始めます。だから、何か一芸を持っている人がやっていることはすごすぎてカルチャーショックを何度も受けました(詳細は次の記事で書きます)。
これは勝手な電通生に対する妄想ですが、普通の学生が普通に楽しいことが楽しくないから、何か特別なことに力を注ぎ込むことによって極めることで自分を満足させているのだと思います。少なくとも僕はそうでした。それにこれが電通生がオタクといわれる所以なのではないでしょうか。
これも続く記事で詳しく書きますが、電通大生はほぼすべての人間がオタクというかネクラな部分を少しは持っていますが、ここにいると逆に、目的を達成するためにそれを補う政治力を身に着けていきます。じゃないとやってけない。
10人に3人は留年する。卒業できない(しない)人は全体の3%
ちゃんとしたデータはないですが、学内では電通大生の卒業までの留年率は3割と言われています。学校発表はもう少し少ないです。ただ定期的な学科編成で留年者が少なく出るようになっていてほんとはもっと多いみたいなことをいう人もいました。
受験生の人は留年率をかなり気にする人いますし(当然ですよね)、新入生と話すと留年が怖いみたいな話になることは多いですが、普通の人は留年しません。安心してください。
逆に言うとこの学校は、感覚がいい意味でも悪い意味でも普通じゃない人が結構いるのでそういう人は留年の危険性が高いと感じました(あくまで自分の周りの話です)。
ちなみに、ノルマは厳しいですが、サポートもちゃんとあって、ちょっとダメだったくらいだったら助けてもらえます(留年する人の成績はたいていどうしようもないことになっている)。
ということで、電通大の入試をパスできる人ならば能力が足りずに卒業できないということはまずありえないと思います。むしろ僕は学部時代から評価基準がぬるいと感じていてもっとボーダーをあげてもいいと思ってたりする(どの口が言ってんだって感じですが)。まぁ、確実に医学部や防衛大とかの方が能力(精神力?)を要求されるますね。そこまでした方がいいとは思いませんが。
じゃぁ、なんで3割も留年するかというと、個人的に2パターンいると思ってます。
1パターン目は普通じゃない電通生の中でもさらに感覚が異常でヤバいということが理解できない人。さっき人は流される生き物だと書きましたが、周りが放課後、教室や図書館に籠ってレポートを書いたり、テスト勉強しているので流される人間は勉強します。
ただ、ある意味電通生らしいですが、他人のやっていることが全く気にならなかったり、自分は自分であるという意識強すぎる人は流されません(普通はその強い意志で好成績をとるのですが、たまに違うところに意識が行ってしまう人がいる)。
2パターン目は電通生らしくなかった人。最初に書きましたがこの大学はあっている人にはいい環境ですが、あってない人にとってはかなり居ずらい世界だと思います。
何の根拠もない概算ですが、ここでやっていける人間って世の中の人間の4分の1くらいだと思います。で、ここで生き生きとしてられるのはさらにその半分の8分の1。
つまり、世の中全体でいうとかなりマイノリティーなんですよね。
で、世の中でのマジョリティである8分の7の人がうちの学校に来てしまうと、すべてが苦痛ってことになってしまいます。
逆に小学校、中学校、高校と田舎の学校でいわゆる普通の人たちのなかで育ちましたが、ずっと自分は異質だと思っていました(醜いアヒルの子的な)。
でも、この大学に来て自分と同類の人間ってこんなにたくさんいたんだなって安心したわけです。
アヒルの中の白鳥だった僕が流浪の末に白鳥の群れの中にたどり着いたので、この調布のキャンパスでの生活は居心地がよかったのですが、アヒルの人がここにきてしまったら逆のことが起きるわけです。
このまま電通生としてキャリアを積むとずっとアヒルなのに白鳥のフリをして生きていかなくちゃならないので、そういう人は留年しつつも何とか卒業して、就職のタイミングで元の世界に戻ります。
元の世界でも大体、工学の学士号は役に立つのですが、それすら役に立たない人はそもそも卒業してもいみないので、卒業しないという選択をとるわけです。
1のパターンでも2のパターンでも、バイトとかサークルとかバンドとかボランティアとか(麻雀とか?)外部の活動にあまりにも力を入れると留年しますが、そういう人は「なにかができたら、なにかはいいんだ」ってなっちゃた人です。じゃなくて、「やるんだったらすべてのことで結果をだして、必ず何かを得る必要がある」ことに気づけた人は、いろいろやっても留年しないと思います。
ストレートで卒業した人の7割は院進(大学院に入学)する
僕が入学式で初めて電通大の学長の福田先生(2019年度で退官)の話を聞いた時、一言目に「6年間よろしく!」と言われました。うちらが先生が学長になって初めての入学生でしたし、学長としての任期がちょうど6年だったのであえてそういうこと言ったのだと思いますが、先生たちは学生は6年間大学にいるということを前提にカリキュラムを組んでます。
どう考えているかというと、学部で就職する人も結構いるし、就職した人もみんなやりがいを持って働けているようなので別に院に行くことはマストではなく、行きたい人が行けばいいと思ってます。逆に研究や開発が嫌いな人が院進してしまうと、つらいですし、周りの人い迷惑をかけるのでお勧めしません。
ただ、さっき電通大ではあまり就職後に役に立つ能力は学べないといいましたが、大学院の方がむしろ実践に近い能力習得できると思っています。
というのも、学部時代の勉強って研究のための勉強・勉強のための勉強みたいなところがあって、4年生に研究室に配属されても、就活がありますし、論文の読み方とか機材の使い方とか発表の仕方とかそういうの勉強して、実際に論文を読んだり、実験したり、学会に行くのはほとんどできないで終わっちゃいます。
大学院に行けば、あと2年間研究室にいれるので、自分で計画をたてて、必要な論文を集めて読み、実験結果をまとめて学会で発表して、学会誌に論文を載せるという研究開発のフルのプロセスを経験することができます。学部だとまず何の論文を読めばいいのかわからないという状態で終わりますね笑。あと、修士2年は研究室中では上の方なので、プロジェクトのリーダーを任されるのも大きいです、計画の立て方とか人の使い方を学べます。よく知りませんが、就職後にプロジェクトを任されるのは5年、10年先なのではないでしょか。
経験を積むという意味では学部にいた研究室にそのままいるというほうが効率的ですが、研究室を変更しても最終的には論文を出すとこまで行けたので、移る研究室のテーマと自分のバックボーンがあっていれば、研究室や大学を移しても問題ないと思います。
大学院での話はまた別の記事でまとめたいと思いますが、電通大の院に進学するならかなり閉鎖的な生活を送ることになるのは覚悟してください。外に出たいなら、自分でそういう機会を作る必要があります。あと、あんまり外(他大や外部の研究所)に行き過ぎると僕みたいに教授の反感を買う可能性があるので政治も必要です。
院時代の先生は全くそうでなかったですが、学部時代の先生は自分のことを教員じゃなくて社長だといっていたので、そういう人のもとでは自分の行動が研究室の利益になることを証明しないと動けないので注意が必要です(お金をもらえない代わりに自分の鍛錬を優先して行動できる学生の意味がなくなる)。まぁ先生たちもあまりにも閉鎖的なアカデミックの世界に籠りすぎるとおかしくなるのだと思います。
ちなみに、ここら辺のことは企業の方も自分がそうだったのでよくわかっていて、他の大学と比較すると学部卒と修士卒の就活力の差が大きいです。さっき2流大学だけど学歴で差別されることはないと書きましたが、これは院生に限った話で、学部生は同偏差帯の大学の卒業生と同じ扱いをされます(それでも一部の企業には優遇されるN○○とか、メーカーH社とか)。
文章が異常に長くなってきたので、ここでいったん記事を終わりにします。あとで学生生活について焦点を絞った記事を後で書こうと思います。
要約すると、電通大生はまじめな人が多く、4年間、6年間ここにいるとさらにストイックになるので企業の人からは重宝するけど、学生生活は充実させるためには自力で行動を起こす必要があってその中で身につくことは多い(意外と与えられるチャンスは多い)。普通にしてれば留年しない。
ってとこでしょうか?
これはあくまで一電通生の感想です。これを電通大の絶対的な評判だと思わないでください。
自分が電通大生らしい学生だったかといわれるとよくわかりませんし、大学が想定している優等生からは程遠いと思います(それでも修士論文に優秀賞をいただいたのでそれなりなのかもです、知らんけど)。
ただ、電通大生という身分と電通大という環境は利用しつくしてやったと確信してます。
この話を聞いてふーーんと思った人はこの大学を選択肢に入れてみてはどうでしょうか。逆に、ええっておもった人はあなたの道はここではないのかもしれませんね。
それでは。
学生生活について書いたこの記事の続編になります。
同年代の電通大生ブロガーの方の修了エントリーです