修了のタイミングで電気通信大学の卒業エントリーを書いたらtwitter経由で、いろんな人に読んでいただきました。

といってもたぶん、最初に読んだ人たちはみんな電通大関係者だと思います。あの文章を読んでどう思ったのでしょうか?教えてほしいです。

ただ、書く内容が多すぎて以上に長い記事になったのだ、あそこでは電通大全般の話をだけして、学生個人についてはあまり書きませんでした。

ということで、この記事ではこれからこの卒業エントリーを読んでくれるであろう受験生に向けて電通大での学生生活はどうだったのか(自分個人の話半分、電通生全般の話半分)について、書きたいと思います。

 

 

いろいろありすぎた6年間

 

電通大に入る前と入った後を比較すると、自分の身に起きることの密度が違いました。

このブログを立ち上げたのも大学で経験した、嬉しかったこと、悲しかったことをまとめておいて、同じ境遇の人に役立ててもらうおうと思ったからです。

で、たまに書き溜めた記事を読み返すのですが、我ながら読み物として非常に面白いと思ってしまいます笑。

もちろん、その時の僕は必死に生きてて、それを楽しむ余裕なんてないんですが、目まぐるしく、いろんな物が自分の中に入力してきて、ほんと飽きのこない大学生活でした。

今まで起きたことをザっと書き出すと(読み飛ばしてください)、

  • 一年生のころは先輩の影響でフットサルの大学生リーグに参加したり、ミスコンにでました。
  • 学年が上がると、フットサルサークルの新歓のために周囲の女子大を回って、思いつきでアメリカ(アリゾナ)に語学留学しました。あと、学内の起業志望の人たちとwebマガジンを立ち上げにライターとして参加したことがきっかけでブログが趣味になりましたね。
  • 3年生の夏に1ヶ月半夏休みに通信機器メーカーでインターンに行ったことがきっかけでキャリアに関する価値観がガラッと変わったりもしました。
  • 研究室配属では、うっかり半導体の研究室に入ってしまいクリーンルームに毎日閉じ込められて、教授と喧嘩になり最終的に研究室を追い出され記憶が強烈すぎて忘れられません。
  • 大学院に進学してからは、新天地を求めて学内で半導体から神経科学に鞍替えしたことでニューラルネットワークに出会いました(これからも関われたらいいですね)。
  • 研究室の外でもいろいろしていて、大学のダイバーシティ推進室という部署に雇用され、大学職員として学内の多様性向上のためにサイトを立ち上げたり、イベント運営の手伝いをしていました。あとは何と言っても台湾で3ヶ月間、自動運転と開発を経験できたのは大きかったですね。台湾で出会った研究者の方は日本に来ると僕に声をかけてくれるので、新しいつながりを得れたのもすごくよかったです。

気になったことがある人はこのブログに詳細が載ってるので後で検索バーからサイト内検索してください。

すごく楽しかったこともあったし、きつい時はほんときつかったですが、それもすべて終わってしまいました(終わればすべていい思い出ってやつですね)。

これからの人生もこれくらいいろいろなことが起きてほしいですが、社会人なのにこんなハチャメチャなことをやってるわけにいかないですよね。

とにかく、この6年間に電通大生として与えられたチャンスは非常に多かったです。

こんなヘッポコに、2回もお金を出していただいて1か月以上(台湾は3か月)海外に派遣していただいたのは感謝しかないです。

サークルでも新しい体育館を週に4日も課してもらえたし、研究でもいろいろな経験を積む機会がありました(活かしきれなかった感はある)。

なぜそういう機会を得ることが可能なのか考えたのですが、やっぱり電通大のパッとしない所のおかげだと思います。

単科大で中規模、学生の偏差値はそこまで高くないし、早いうちに積極的に動く人も少ないという電通大の残念なところが逆に、自分のような人間にチャンスが巡ってきた要因だと思っています。

これが大きくて、もっとレベルの高い大学だったら僕は何にもできなかっただろうな・・・。

 

 

オタクは多い(みんな多少はオタク)でも、世間で言われているようなオタクとはちょっと違う

 

同じ都内の単科大学の中でもうちの大学は認知度が低いです。それでも電通大という言葉を知っている人は「電通生ってオタクばっかりなんでしょ」って思ってます。

その質問に対して、「そんなことないよ」なんて答えません、「当たり前でしょ」と答えます。

そこで、オタクとは何者や?って話になるんですけど、勝手に僕が考えてるオタクの持つ特徴は2つあって、

  1. 一つのことに対して集中する
  2. それ以外のことに対して興味を持たない

これが世間からオタクと呼ばれる人のイメージなんじゃないかなぁって思っています。

特にオタクという言葉が否定的に使われる場合は、2つ目の好まないことに対してどうでもいいと思っている人間って意味ですよね。

前の記事に書きましたが、電通生の長所はどちらかというと何かにフォーカスして極めるところです。

例えば僕は一年からずっとフットサルサークルにいましたけど、戦術についてめっちゃ勉強しましたし、対外試合の後は試合の動画を見て毎回反省会をしていました。

ガチでフットサルをやるつもりはなかったのですが、どんどんフットサルにのめり込んでいって最終的にかなりきつかったです。

つまりフットサルのオタクだったんだと思います。

ただ、世間の人がオタクと聞いてイメージするようなアイドルを追っかけたり、コミケに行く人はあまりいません(単に聞かないだけかも)。

そういう表に出てくるオタクの人はここにはあまりいなくて(いわゆるラノベやギャルゲを進められたことは数回ある)、いろんなことが自分の中で自己完結する人が多いのが電通生の特徴だと思います。

だから、いざ入学してみるとあまりオタクが多いという印象を受けないかもしれません。でも、各々自分の世界の中で追及していることがあるという感じです。

で、僕は別にオタクであることは悪くないと思うんですよ。何を重視するかは人それぞれで自由にすればいいんです。

確かに、他のことに興味がないということは他の人からするとつまらないと思われてしまうかもしれません。

でも、「一つのことに対して集中すること」と、「それ以外のことに興味を持たない」ことはイコールではないと僕は思っています。

何かを極めようとすることはいいことです。それに加えて、それ以外のことにもちゃんと心を向ければいいんです。

それに、あることを深堀するとそれ他のことに目をやった時に今まで見えていなかったものが見えてくのではないでしょうか。

電通生の中でも、いろいろなことに関心持っている人とそうでない人がいます。結局のところ人それぞれでいいのだと思いますが、大学生活を通して少しでも自分の視野を広げることができればなと感じていました。

 

 

出会いはあるか

 

受験生が学生生活について気になること言うと、やっぱり出会いがあるかってのもあるのではないでしょうか。

電通大の男女比は9:1でやっぱり、需要と供給のことを考えると、女子は「まぁ自分と合う人をクラスとかサークルで見つけられるんじゃない?」って感じですが、男子は学内でつかめる機会は普通の大学と比較するとかなり少なめだと思います(こういうところが単科大のデメリットなんですよね)。

ただ、前の記事から書いていますが、大学生が学生生活でやらなくちゃいけないことは(学ばなければならないこと)、大学以外にもたくさんあります。サークルとか、バイトとか。

僕がこの6年間に学んだことは広い意味で人と出会うためには自分から外に出ていくことが必要だってことです。

広い意味でって書いた理由は出会いって別にそれがすべて恋愛に直結するものじゃなくて、相手の性別問わず趣味や学問や就職に対してもつながっていくと考えているからです。

例えば、合コンで知り合った友人が行っていたインターン先に自分も行ってみたら、その人はそこに就職しなかったけど、自分がそこに就職したとか。

趣味を広げるために参加したボランティアで知り合った人と付き合うことになったとか。

その他にも留学前に現地語のオンライン教室を受講していたら、留学中に自分の担当講師の人と付き合うことになったって人もいます。

電通大は結局のところ、単科大ですし、規模もそんなに大きくないです。だから、自分の今の環境に期待するのではなくて、いろいろな人と、そして新しいことへの出会いを求めて外へ踏み出すことも必要なんです。

 

と同時にそれに伴うリスクもあります。

インカレサークル新歓をしていると、いわゆるサークルクラッシャー的な人も来ますし(サークラからしたら電通大生はいいカモ笑)。ごくまれに新興宗教の勧誘の話も聞きます。あとは、電通大生の意識の高さを利用して詐欺や違法な労働に巻き込む人たちもいます(実体験あり)。

これは、この記事をここまで読んでくれた人にはどうしてもわかってほしいことなのですが。被害を被らずにいいつながりを得るには自分から動くことが一番重要なんです。

逆に受け身で待っていると、運悪く悪い人にあたってしまえば確実に騙されます。

新興かどうかにかかわらず、宗教の存在意義ってコミュニティを確立させることにあると僕は思っています。もし、自分から友達を作ってたくさんのコミュニティに所属したり、コミュニティを作ったりすることができる人は、胡散臭かったり、戒律がある新興宗教にコミュニティを求めることはしないですし、ヤバいとおもったら他に移ることも簡単です。だから、選択肢を持ったうえで宗教と関わるなら問題ないと思います。

あと、意識高い系で利用される典型的な人は起業志望の人ですが、人脈をたくさん持っていて頼れる人が複数いれば、企業するとなっても誰と組むかは自分からじっくり選ぶことができますよね。

逆にそういうつながりがなく、意識が高いだけで情報交換をしない人は怪しい人の情報もわかりません。なにより、他人の本性というか真価を見抜く能力が養われないので、つまらない人に引っかかりやすいです。

少なくとも、能動的に待って、たまたまやってきた人が悪い人だった可能性より、能動的に動いてたまたま自分が選んだ人が悪い人の可能性の方が圧倒的に低いです。

あと、これはバイトとかに言えるのですが、条件がいい組織は勝手に人があつまるので無理に勧誘したりしません。逆に営業が上手いということは実際の中身は大したことがないということです。

もう一つこれは自分が身をもって経験したことなのですが、たとえ個人主義で生きていくとしても周りの人間の本性や能力を短時間で見抜く力は絶対必要です。むしろ単独で行動する人ほど重要。それは悪く言うと相手の足元を見て行動するということなのですが、電通大生がいち早く身に着けなくちゃいけない能力の一つだと思います(自分はそれができなくてかなり損をしました)。

実際のところ電通大に入学したての人が受け身の人が多い印象です。ただ、電通大でも能動的に人間関係を築いて、必要ならば自分が主導権を握ったほうがいい場面では自分のペースに周りを巻き込む必要が出てきます(むしろ電通大生だからこそ物事に中心に立って行動すべき場面が増えます)。

上級生になるとサークルや研究室でプロジェクトの中核的な立場に立つことが多いので(あえて教員がそういうカリキュラムを組んでいる)、僕を含めてだんだんとそのことにみんな気づくという感じでした。ただ、気づくのが早ければ早いほど就活ではいい結果が出るので、たとえガラじゃないと思っても、コントロールされるのではなくコントロールする力を身に着けたほうがいいと思います。

そう考えると電通生がサークラとか新興宗教に引っかかってる暇なんてないと思いませんか?もし、宗教に関わるなら自分で新しい宗教を作ってほしいくらいです(冗談です笑)。

んじゃ、具体的にどこに行けばいいんだよってなると思いますが、おすすめは、英語、音楽、教育、ボランティアです。

あくまで、自分の経験なのですが、その界隈に集まる人って、性別や分野の面で偏りが少ないです。さらに、共通した価値観持っている可能性が高いですね。

特におすすめは英語で、男女比や文系理系の割合も大体、半々でさらにどちらかというと外向きな人がおおいので、自分を広げるという意味でいい人との出会いが多いなと感じてました。

逆に、プログラミングなどの技術的な活動は就職面ではメリットが大きいですが、出会いという面ではかなり偏った人しかいないのでおすすめできません(僕はもっと参加しておけばよかったと思ってますけど)。

まぁ、自分自身の興味関心に合わせてワクワクするようなことに挑戦すればいいと思います。

 

 

多様性は高い。そしてカオス

 

まじめで、厳しく、そしてオタクであることは全員に共通していることなんですけど、逆にそれ以外の部分は全員全く違う同質性のない世界でした。

同質性がないということは、つまり多様性が高いということで、多様性が高いということはある意味みんなマイノリティってことです。

そんなカオスな世界は、自分存在がマイノリティだと感じていた育った僕にはものすごく居心地がよかったです。

同調圧力という概念が存在しなくて、みんな自分自身が異端者であることを自覚しているのでマイノリティに対する驚きとか恐怖が全くない人種でした。

あとで、個別に記事にして書こうと思うのですが、そんな空気のなかでミスコン(男子もミス電通になれる)といったちょっと変わった文化が発展したのはすごく意味のあることだな思っています。

ただ、他人は認めることは得意でも、自分と異なる概念を自分の中に取り入れることは苦手な人が多かったですかね。それゆえのトラブルなんかもありました。

 

 

電通生に必要なことは人間性かもしれない

 

ここは実力主義の世界です。それはやっぱり先生たちもOBの人たちも自分の腕っぷしで殴り合って勝ち残った人たちなんで(やっぱり2流大学だけど教授になることはすごい)、学生も実力で勝負することを強いられます。

能力がある人、結果を出した人は正しくて価値がある。逆に能力が劣る人は間違っている。そんな認識がここにいる誰しもにあると思います。

じゃんけんみたいなものです。買った人がお菓子を食べることができます。

自分はじゃんけんに勝てないことの方が多かったので、あまり恩恵は受けられませんでしたが、ここまで実力主義の世界だとむしろ公平で気持ちいいなと思ってました。

でも、最後に大学生活を振り帰ってみると、結局大切なことは結果じゃなくて人だって思いました。

大学の中で出会った上の人で、この人にはついていけないと決別してしまった人がいて、その何がきつかったというと人間性がなかったことです。

他人のことを考えたり、他人の幸福を優先することがなくて、同じ空間にいることがつらくなってしまいました。

そして、結果を出していても、人間性があるレベル以下になると、どんどん人が離れていくことを目の当たりしたんですよね。

といっても、結局ここでやっていくにはある程度自分の能力を証明する必要があります(じゃないと卒業できない)。

そもそも、電通大に来る人って、一流の大学に行きたかったけど入試で実力が足らずに、それなら大学生活は犠牲にしていいから能力を身に着けたいと思ってやってくる人がほとんどなので、学力、研究力的なところ以外を軽視しがちです。

それは僕にも当てはまるのですが、6年間電通大で過ごして、今自分に欲しいことって人を思いやったり、気遣えることなんです。

これまでの学生生活を振り返ると、他人を思いやる人は少なかったです。

特に僕は今後の自分のために他人も今の自分も犠牲にすることをモットーにいきていたので、結果的に人に対して思いをはせるということがなくなっていました。

結局そういう中で、他の人を気遣う人がいるとみんなそこに付け込むので、いい人が一方的に損をする構図が出来上がってしまいます。

そんなことをずっとしていると、いつか自分の周りにも人が去っていくのではないかと恐ろしくなりました。

さらに、いわゆるみんなが思っている実力的なところは全員ある程度あるので、電通大生というか同じような工学部生の中では差がつかないんですよね。

だったら、みんなができないことをできるようにした方が他の人と差別化ができると思います。

まぁ、勉強するのが一番大事なんですけど、人としてどうあるべきかみたいなところも低学年のうちから考えておいた方がよかったなと思う今日この頃です。

研究室に配属されて、自分の人間性の低さに気づく人もいますがすぐに身につくものじゃないです。

僕はこれからの3年くらいはそこをテーマに頑張っていきたいと考えてます。

 

電通大生の学生生活の面で僕が思うことはこれくらいですかね。

この記事の意味って、僕を反面教師にしてもらうことだと思うので、僕の学生生活を皆さんの踏み台にしてください。

 

それでは。