働くロボットの誕生.

都会で生まれ育った人にはわからないと思いますが,田舎のホームセンターとか家電量販店ってほんとうにデカいんです.マジで,

先週,帰省した時にすることがなさ過ぎてなんとなく行った”Joy〇〇〇本〇”なんか,もう東京でいう町って感じです(大袈裟).

で,なにが言いたいかというと,そこでなんとペッパー君が”ルックおふろの防カビ燻煙剤”を販売していました.

 

働くペッパー君

 

大量に積まれた商品の前で独り,目の前を通る客に片っ端しからこの洗剤を売りつけようとしていました.

世の中に生み出されて早3年の月日がたち,ペッパー君が道行く人からチヤホヤされる時代はもう終わりました.慣れというものは恐ろしいもので,みんながあこがれていた人型ロボットなのにもう誰も何とも思わなくなりました.

帰省すると,両親によくスマホのアプリを紹介するのですが,今までは「すごい!!」の一点張りだったのに,最近じゃ「で?ほかにどんな機能があるの?」っていう反応が返ってきます.

どんなに便利なことでも慣れてしまえば,当たり前になるんです.最新技術もむなしいものですね.ペッパー君もそんな技術の一つに仲間入りしました.

道行く人に無視され続けるペッパー君.それでも,10分くらい観察し続けたら反応した子供を追っかけてきた親が3人その商品をとっていきました.

話はそれますが,僕はスポーツの試合会場でグッツを売るバイトをしているんですよね.だから,ペッパー君は同業者ってわけです.この商は今日限定だから売り切んないとまずいなって時に限ってお客さんが来なくて.そんなときは僕もペッパー君みたいに道行く人に売り込みに行きます.

意外と声を掛ければ買ってくれますが,それでも無視されることの方が多いんです.バイトが終わるころには心がボロ雑巾.最近は慣れましたけどそれでもきついです.

そんな販売員からすると,ペッパー君は物販の鑑.どんなに無視されても傷つかずに冷静に流れていく客の反応を分析できるので,物販はペッパー君の天職なんじゃないでしょうか.

実際に店頭にペッパー君を立たせるのは有効かどうかはわかりません.ペッパー君がいることで逆に取り逃がした客もいるだろうし,10分で3人はちょっと少ないです.

でも,ハンズとかロフトの実演販売員とかじゃなくて,そこら辺の店の店頭に立ってるバイトはその日の客の数を一割伸ばせれば上出来だと思います.だから,ペッパー君も役に立たないわけじゃない.実際に高額なリース代がかかるペッパー君をわざわざ使ってるのだからそれなりに売り上げに貢献しているのでしょう.

 

飽きられてからが勝負

 

あのペッパー君の何がすごいかというと,ちゃんと労働していたとこ.

人型じゃないロボットはすでに産業界に侵入していて,自動車工場じゃロボットの方がメインの労働力になっています.

これはどういうことかというと,経済的にロボット導入した方が人を雇うよりも効率的という意味です.人ひとりの人件費よりも安くロボットが働けるととらえることができます.

ただ,人型ロボットでもアシモなんかはめっちゃ高い出演料もらって講演会とかに出てます.でも僕が言いたいのはアレは労働しているわけではないということ.

これから人型ロボットがつく仕事って,ドラえもんみたいなクリエイティブ(?)な仕事じゃなくておそらく大学生のバイトがやっているような,奴隷的(言いすぎ)な仕事だと思うんですよね.

アシモは物珍しいからあれで商売として成り立つし,そもそも研究目的で開発されているわけだからお金を稼いでいるわけではないんです.

ビジネスのために生まれた人型ロボットは,開発されて,生産されて,労働して.それで,採算が取れなければスクラップになってしまうわけです.

 

ということで,今回は「人間よ,ペッパー君をそんなにバカにできないぞ」という話でした.

一生懸命働いてる人って普段より3割増しに見えませんか?
ペッパー君と仕事したい.