※この記事は2019年11月に行われたwaffleのiamtheCODEハッカソン半分、筆者(情報系大学院生)が思うIT教育の話半分という内容になってます。

まず初めに、飛び入りでしたがハッカソンに参加させてい頂いたwaffle代表の田中さんありがとうございました。大学院で情報をやり、来年IT業界に就職する僕にとって非常に興味深いお話が聞けました。また、成り行きでメンターをさせていただくことになりましたが、普段の自分とは違う立場で、自分よりももっと若い方と一緒にあれこれ考えるのは頭が固くなり始めた自分にとっていい刺激になりました。

で、そもそもwaffleハッカソンって何ぞや?と思っている方もいると思うので、一応僕が知っていることを書いておくと、女子中高生向けにIT技術やプログラミングに触れる機会を提供するためのハッカソンです。(ちなみにハッカソンはチームに分かれて数日間プログラミングして最後に成果を競うイベントのことを言います)

おんなじようなハッカソンにCoderDojoがありますけど、そっちと比べると、もっとカジュアルにITの面白さとすごさを実感してもらって、将来ITの世界に関わるきっかけをもってもらおうという感じでした。

僕が参加した回はたまたまアフリカでプログラミングを広める活動をしている「iamtheCODE」とのコラボ回だったので、進行が英語かつiamtheCODEゲスト方がいらっしゃってて、どっちかというとiamtheCODE色が強かったのだと思います。なので普段のWaffleハッカソンとは印象が違ったかもしれません。

 

 

ITに触れるきっかけってすごい貴重

 

ここからはちょっと自分が考えてることを話します。

最近IT人材とかIT教育とかIT、ITといろんなところで騒がれていますが、子供たちが人生の中でITに興味を持ってもらうためにはきっかけが必要不可欠です。

自分の経験ですが、小学生の時から家でコンピューターを使う習慣があり、中学生では簡単なプログラミングを初めて、高校生では英語の教科書和訳を投稿するサイトを立ち上げたりと、IT好きの少年でした。

といっても、高校まではひたすらサッカーをやっていたので、特に何か勉強していたわけではなく、あくまで遊びでしたが、ITに対するあこがれは強く大学では情報を学ぶことに決めて、そのままIT系企業に就職が決まりました。

別にITとかかわるためには子供時代にプログラミングをやる必要はないし、情報系の大学に入学する必要もないです。それに、いまはどこの企業もIT人材を欲しいているので別にIT企業に入社する必要もないかもしれません。(そこらへんは大学院生なので知りません)

でも、人生の中でITと関わるためにはそれまでにITに触れる瞬間が必要だと思うんです。

僕の場合は小学5年生の時に父のお下がりのノートパソコンをもらったことでした。XPの性能の低いやつでしたが、学校の発表で目立つためにpower pointを覚えたり、ゲームソフトのセーブデータをダウンロードするためにネットを漁ったりしました。

そのあと、webサイトを作ってみたいと思いHTMLやjavascriptを勉強したのがきっかけで、高校の英語教科書の和訳を掲載できるサイトを作ったのがこの道に進んだ決定的な出来事でした。

サイトを通して自分が訳した教科書の和訳文を多い時で月7万人の人に見てもらって、間違っていれば掲示板を通して教えてもらえるし、広告の掲載料で当時のお小遣いの同額ぐらいのお金が入ってくる。

その時、まるで魔法だなと思ったんですよね。発表にアニメーションを使えばみんなにチヤホヤされるし、セーブデータをダウンロードすれば自分で頑張ってプレイする必要はない笑、そしてネットを使えば、しがない一高校生が世界中の人に情報を伝えられる。

これは僕だけの話じゃなくて、周りを見渡してもそうなんですよね。

で、ゲームが好きで作ってみたいと思ったとか、ドラマに出ているハッカーがすごいかっこよかったとか、まあそういうのもありますが、やっぱり多いのが親や先生、兄弟や友人の影響が大きいです。(僕も父がノートパソコンをくれたのがすべての始まりだったので親の影響といえると思います)

いくら、ゲームやスマホがすごいと思っていても、それはあくまでもユーザーとしての経験であって、周りにITに精通した人がいないと自分で作ってみようとはならないんだと思います。

といっても、IT人材が周りにいるの人は運がいい人で、多くの人は本当はITに興味を持っていたり、素養があるのに気づかずないのではないでしょうか。

私の友人で小学校の先生をしている人が数人いますが、みんな口をそろえてIT教育といっても自分がITが何なのかわからないといいます。小学校の先生をしている方はだいたい教育学部の方だと思いますが、情報を学んでいる身からすると一番ITから遠い存在なのでこうなるのは当たりまえですよね。

 

 

WaffleのハッカソンはITを好きになるきっかけのためのハッカソン

 

さて、やっとwaffleの話に戻りますが、waffleのハッカソンはITを志すきっかけのためのハッカソンです。

逆にさっき名前をあげたCoderDojoのメンターもやったことがあるのですが、CoderDojoに参加する子供たちは既にプログラミングが大好きで、好きを極めるためのハッカソンでした。

CoderDojoでは、参加者は個人個人作りたいもののを作りながらモノづくりを楽しんでいましたが、それは既に自分の中でIT技術を使って何がしたいのかということを持っている人にしかできないと思います。

Waffleのハッカソンではまず、教育向けプログラミング言語のScratchやRasberry PI(実際は違うものを使っていた)のようなお手軽で楽しい技術を題材に、自分ならこれで何をするのか夢を膨らませるところから始まっていました。

さらに、チームで考えたことや感じたことを話し合うことで自分以外の参加者から、自分にある部分とない部分を共有していました。ある人の提案がはじめは価値があるのかわからなくても、みんなで情報を共有することで自分になかった価値観に気づけるのは大切なことだと思うんですよね。

例えば、僕が担当したチームでは、IT技術によって資源のリサイクルや削減ができることを話す方と世界中の人々に情報を広げられることを話す方がいて、確かに両方ともITの持つポジティブな側面の一つなのですが、最初はお互いに自分の意見に固執していました。

ただ、最終的に意見をまとめる上げる段階で二人とも相手の観点を取り入れた提案をしていたんですよね。これは、ハッカソンに参加しないと得られない経験だなと思いました。

さっき、ITを志す人の多くが自分の周りから影響を受けていると書きましたが、逆に言うと周囲の人間の価値観や観点しか受け継ぐことができないものです。

ただ、Waffleのハッカソンでは同じようにITに興味を持った同世代の参加者から影響をもらいつつ、現在ITの現場でバリバリ活躍されているメンターの方(僕は大学院生でしたが笑)から意見をもらえるのは自分の世界を高速で広げることのできる機会だと思います。

このメンターがバリバリの方というのも結構重要で、大学を情報を学んでいても教えてくださる方は現場を退いた方たちばかりなので、現場感とか新鮮さみたいのは感じられないんです。ここは数学や英語も含めて普段の学校教育でも同じですが、教育の現場にいらっしゃる方ってやっぱり前線で戦っている人はいなくて、例えば数学が本当にできる人は先生じゃなくて研究者をやっていますよね。

ただこのハッカソンでは、僕も会おうと思っても簡単に合うことができない、IT業界の中心で活躍されている方と一緒にモノづくりをする経験を積めます。

 

 

Waffleのハッカソンに行った後はどうするか

 

ここからまた僕の持論でハッカソンの趣旨とは違うかもしれません。

IT教育必修みたいなことをいう人がいますが、IT技術(特にプログラミング)は自然言語みたいな誰でも慣れ親しめるものじゃなくてある程度素養が必要だと思っています。一番重要な素養は興味があるということで、いくら向いてても興味が一切ないならこの道には進まないほうがいいのではないでしょうか。

今の大学(電通大)でも、たまに全く興味がないのにうっかりここにきてしまった人がいて、すごい可哀そうだと思います。興味がある人ない人は同じ勉強してもかかる労力と得られる成果が違います。

waffleのハッカソンは自分の世界を広げることでITの持ついろいろな側面に興味を持つためのハッカソンですが、同時に自分がこの世界に興味を持てるか試すハッカソンだと感じました。

ハッカソン内で触れた技術や話に興味が持てたり、そこで合った参加者やメンターの方に共感できたのなら、あなたにもその素養があるのだと思います。

で、それが確認できたのならiamtheCODEの人も言っていましたが、家に帰って何か面白いと思えることをやってみるといいともいます。

ワーク中に外から見ても、この方はwebに興味があるのかなぁとか、この方はデバイスがすきなのかなぁとかそういうのを感じられました。

まず思いつくのはScratchのような教育用の言語でプログラミングしてみることですが、コードを書くことだけがITではないので例えば画像編集や動画編集をしてみるのもいいともいます。僕のようにwebから入るのもアリですね。どれも今はお手軽に作れる環境があるので、無理せずにできそうなやつから始めてみればいいです。まぁいきなりちゃんとした言語を始めてもいいです。(最初の言語はPythonがおすすめです)

あともう一つ、一緒にがんばれそうな人を見つけるのも大切だと思います。

大学生になってめちゃめちゃ思うのですが、人脈と情報ってめっちゃ大事なんですよね。

自分と同じような価値観の持つ人と友達になれれば、例えば違うイベントの話や受験に関する話を聞けますし、自分も有益な情報をその人に教えればきっと喜んでもらえます。情報交換をするだけじゃなくて、例えば留学したとか、研究成果を上げたとかそういう相手の頑張る姿から自分のモチベーションをあげることだってできます。

さらに、いつか何かやろうと思ったときに仲間になってくれることも。

学生で企業やwebサービスを立ち上げようと考える人は多いですが、同じ思いでい行動を起こしてくれる人を探すのは本当に大変です。まず、自分の周りにはいないと思ってください。そいう時にここで知り合ったつながりが生きてくると思います。ほかにも、サークルやボランティア団体の立ち上げとか。

ちねみに、自分も大学院生なのにあの場に参加できたのは、学部時代に知り合った友人づてでWaffleの代表の田中さんを紹介してもらったからです。

 

 

就活対策にもなると思った

 

中高生の方には興味のない話だと思いますが、(親御さんは興味あるのでは)Waffleのハッカソンは就活対策になると感じました。

ここで学べる「相手の思考や価値観を取り入れる」、「自分の夢や希望から具体的なアイディアを発想する」、「イメージしたものを形にする」という力って就活生がインターンシップやグループワークで企業から評価される力そのものなんですよね。ハッカソンの形式もハッカソンというよりは企業主催のワークショップに近いかなと感じました。

まだ、就活とかは関係ないかもしれませんけど、中高生のうちからこういう概念を自分の中で取り入れておいて、育てておくとあとあと就活以外のところでも役に立つと思うんです。

就活本番になると、みんな小手先のテクニックとかいわゆるな模範解答みたいなものに固執してしまうので、ありきたりな議論しかできず結局評価されないみたいなことがありがちです。

そうならないためにも、今のうちにこういう経験をしておくのはアリだと僕は思いました。

 

 

Waffleなハッカソンにはどんな人が参加すべきか?

 

ハッカソンというとバリバリプログラミングしますって人が行くものだと思われるかもしれないですけど、少なくとも僕が行った回はそういう雰囲気ではありませんでした。

まぁ回によって違うのでしょうか?その辺は事前に聞けばいいと思います。

実際、二日間でアイディアをまとめてみんなの前で発表することはできましたが、何か成果物を出すというところまでは行きませんでした(メンターの力不足?)

なのですでに、プログラミングがあり程度できて、二日間ひたすらモノづくりがしたいという人にはおすすめしません。(勉強だと割り切っていくのはアリだと思います)

じゃぁ、どんな人におすすめしたいかというと

  1. ITに興味和あるけど、何をすればいいかわからない人?
  2. 同年代で一緒に頑張れる人を探したい人
  3. チームでモノづくりすることを学びたい人

こんなところだと思います。

 

最後に印象に残った話なのですが、司会をされていた方が、

「ここにいるのはみんな意識が高いから、意識が高いねぇなんて誰も言わない」

と仰っていました。

どういうことかというと、普段学校で行動を起こそうとしても「意識が高い人」というレッテルを張られて差別されてしまうことで足を引っ張られるけど、同じ思いのメンバーの中にいれば足を引っ張られることなく、むしろ相乗効果を生めるって意味で言われたのだと思います。

すごい納得する話で、学校やクラスとか部活って普通であることが正しいとされてしまって、抜きんでて頑張ろうとする人を普通じゃないと行ってやめさせようとする空気感がありますよね。

例えば、部活で一人だけ早朝に校庭で朝練をしていたら、なんでお前だけうまくなろうとしているんだって言われる的な・・・。(まぁ日本人らしさでもある・・・)

くだらないですが、結局その中だけにいるとその空気に呑まれてしまいそうになります。そんなときは違うコミュニティの中で自分の視野を広めてみてはいかがでしょうか?

ということで、waffleのハッカソンの話をさせていただきました。あくまで僕の感想なので評判的な話を知りたい方は的外れだったかもしれませんね。

 

 

それでは。