[追記]電通大のミスコンは2019年の大会を最後に開催されていません。中止に関する経緯やそれに対して思っていることはこの記事の最後に書いています。
学部、修士と6年間の調布での学生生活を終えて、来月就職することになりました。
それで、母校の記憶と興味がなくなる前に電気通信大学について、これは誰かに伝えたいと思ったことをせっせとネットに書き残しております。
とりあえず、卒業エントリーという形で電通大全般のことはまとめたので、個別でちょいちょい書いておこうと思ったのですが、
去年、電通大のミスコンについてあれこれ考えることがあったので、ここで電気通信大学のミスコンとは、いったい何なのか書いておくことにしました。
この記事は電通大のミスコンにそんなに参加したわけではない大学OB(参加1回、観戦2回)が”あーだこーだ”言う記事です。
参加者の方や運営者の方にも読んでもらいたいけど、あまりここに書いてあることは気にしないでください。
後に書きますが、一番重要なことはそれぞれが真にやりたい事を実現することだと思っています。
なんで、あくまでそういう考え方もあるよね・・・ぐらいに思っててほしいです。
伝統的にミス電通大は男性
まずは大前提の話(知っている人は読み飛ばしてください)。
うちの大学は一応、国立大学なんですけど単科大学なので、女子がものすごく少ないです。
ただでさえ大変なミスコンを少ない女子学生で成立させようとするのは困難なことで、6年前はガルコンという別の企画で電通大女子でいわゆる普通のミスコンを行ったのですが、次の年からは参加者が集まらなかったのでそれからは一度も成立していません、それが理由なのかわかりませんがミス電通大は伝統的に男性です。
ということで、必然的に参加者はミスコンに女装して望むことになります。
コンテストの内容も普通のミスコンとだいぶ違っていて、参加者はグループで参加することが許されてますし、必ずステージ上で五分程度のパフォーマンスを行います。
パフォーマンスの内容も自由です。楽器を演奏することは禁止らしいですが、それ以後のことは何でもできます。
踊る、歌う、コント、演劇あたりを組み合わせる人が多くて、審査員は全然ジャンルが違うパフォーマンスを、ビジュアルや演出といったいろいろな要素を考慮して優勝者を決めます。
そんなのミスコンじゃないやんけってツッコミを受けそうですが、でも電通大のミスコンは女装コンテストではないです。
あくまでも、電通大の文化にふさわしい、ミス電通大を選ぶためのコンペです。それが、たまたま女装した男子だったのはうちの学校らしいと思います。
なので、昨年の大会は運営の方が女子も参加可にしたらどうかという提案をなさってました。
結局、他の運営の方とか、参加者の方が対応できないと反対したのでこの提案は却下されたのですが、個人的にはこの動きはすごくよかったと思うんですよね(ちなみに、もう一度このことについて考えてほしいのでこの記事を書いてます)。
勉強不足で大会の歴史とかわかってないんですけど、電通大のミスコンは、ネットの流行とか、最新技術とかそういう時代の流れを踏まえて、真に電通大にふさわしい、象徴としてのミス電通大を模索する場だと思うんです。
で、参加者はその提案者であって、自らの身体を使ったパフォーマンスでそれを具現化させます。
だから、別に提案者が男でも構わないので、男子が女装してミス電通大に選ばれることができるんですよね。
そんなことを大層に書いてみましたが、単純にお祭りとして楽しんで知る人ももちろんいます。参加の仕方は人それぞれです。
電通大のミスコンはチーム戦
最近よりこの傾向は強まっていると思うんですけど、電通大のミスコンは複数人で出ることが可能で、ステージに立っている人以外にも、演出、音楽、衣装、メイク、脚本など、いろいろな一芸を持った人が分担して準備をするので、団体戦って感じになってます。
もちろん、すべて一人で行って、一人で出るという人もいますが、反対にお金払ってプロを雇う人もいます。
僕もそうだったですけど、参加者の半分ぐらいはサークルとか研究室から出ていて、先輩からノウハウや必要な機材を受け継ぐというケースも多いように思えます。母体のサークルは、演劇や音楽制作、絵画などの文化系サークルって場合もありますし、体育会系ってこともありますね。一時期ある研究室のメンバーがミスコンを席捲したこともありました。
大会のレベルが上がるにつれて、チームの規模とかコストが増えてしまうので、新しくミスコンに参加したいけどノウハウがない人が参加しにくくなっているのは少し残念です(毎年参加している人はどんどんクオリティーが上がっているので、まず出てみたほうがいいのでは)。
そういう団体とか関係なしに有志で参加する人たちのために、大会の優勝経験者を呼んでセミナーを開催している人もいます。
ただやっぱり、母体が演劇や映像制作をやる人たちだったり、チーム内にアマチュアでも衣装制作や作曲をする人がいるとクオリティーが高いです。
もちろん、ミスコンのためだけにそういったことを独学で身に着ける人もいますし、そんなに凝った演出をしなくても、ノリで出てもいいと思うんです(最近は参加者が少ないと聞きますし・・・)。
ちなみに、自分が出たときはどうだったかというと、他大学の女子でダンス研究会に入っている人がプロデューサーに的な立場になって指導してもらってました。
僕は踊るということが一番苦手なことなのでかなりきつかったですね(運動神経の問題)。ただ、フットサルサークルメンバー出たので、ダンスの質を上げるしか他の参加者に勝てる要素がないと思い、よく夜の10時くらいに大学の大きなガラスのある建物に集まって、ガラスを鏡代わりにして練習していました。
最後にまた書いておこうと思うのですが、個人的には女子の参加の是非について、また検討してほしいです。
ミス電通大が男性でもいいんだったら、女性でもいいのではないですか?
まぁ、女子参加可にしたところで、女性の方が参加してくれるかは微妙なところです。
ただ、電通大女子の中にも、ダンスをやっていたり、コスプレイヤーとして活動している人がいるのでそういう人が出たらおもしろいと思います。まぁ、あまり大っぴらにしないで内輪だけで楽しみたい人が多いようなので参加はしてくれなそうですけどね。
今でも、女子でメイクや演出として参加している人はいます。ただ現在のルールではステージに立つことができないので、それを可能にするかどうか、いつか女性で参加したいという人が現れたときのためにちゃんと話し合ってみてはどうでしょうか。
もちろん、今までの他の大学のミスコンとは全然違う大会の趣旨は変えずにです(もうちょっと審査基準は明確にした方がいいかもしれませんけど)。
いろいろ書いちゃいましたけど、この大会の本当の目的って自己表現の場を作ることではないでしょうか。研究だったら、学会とか論文とか、自分が今まで積み上げてきたことを発表する場はいくらでもありますけど、電通大のミスコンで表現されるパフォーマンスって一般の学生が外に発表する場はなかなかないと思います。
だから、僕含めたOBや大学側からあれやこれやと言ってきますけど、表現の自由はあると思いますし、自分がしっかり考えて表現したしたことなら、見ている人たちは納得してくれると思います(最近、女装コンテストの可否的な話もあるので、考えなくちゃいけないことはいろいろありますけどね)。
単なる女装コンテストではない、他の大学のミスコンとも違う、そんな電通大のミスコンがこれからどうなっていくのか楽しみです(何とか予定空けて調布祭に行きたいですね笑)。
[追記]2019年の大会を最後に電通大のミスコンは開催されていません。2020年に大学を卒業したので詳しい経緯は知りませんが、2020年に調布祭が中止になりそのままミスコンも開催されなくなりました。
単純に調布祭に人が集まらなくなったので開催しないという理由もあると思います。ただ、これは個人的な憶測ですがポリコレ的な影響もあると思ってます。
自分は大学院時代、電通大のダイバーシティ推進室で非常勤職員としてバイトしていたのでなんとなく経緯を知っているのですが、以前別の国立大学の女装コンテストが性的マイノリティの方を支援する団体に批判されてしまい中止になったということがありました。
その際、電通大も同じような批判を受けるのではないかという話に大学側でなったんですよね。
たしかに、女装コンテストの中には、人によっては不快に思う表現がある可能性は大いにあると僕も思います。
大学という公の組織で行うイベントですし、当時のミスコンはyoutubeといったメディアに流れることも多かったので(LIVE配信はそういった懸念からやってなかった)そこは配慮するべきですよね。
ただ、電通大のミスコンは女装コンテストではないんですよね。実際、参加者の中には性的マイノリティの方もいるみたいでしたし、そこを配慮する動きもあったので、開催されなくなったと聞いたとき本当に残念だなと思いました。
そのためにも、自分は女子の参加を認めるべきだなと思います。確かに、女子のほうが有利だとは思いますが、そもそもパフォーマンスが重視される電通大のミスコンでは、演者の素のポテンシャルは審査基準に入ってないので、性別はそこまで重要じゃないと思います。
最後の優勝者は自分の所属していた研究室の後輩でしたが、普段は疲れたよくいる研究室の男子大学院生でしたが、本番は全く別人で、純粋に美しいと思ったし、いつまでも見ていたいと思いました。
うーん・・・、いつか電通大のミスコンを復活させてほしい。誰かを傷つけるリスクをなくして、キャンパスの自由な雰囲気を促進させるような形で。
OBのボヤキでした。
それでは。