久しぶりに気合入れて記事を書きます。

ここ一年間ずっと書きたいなと思ってたことなんですが、最近できるだけ多くの方にこのことを知ってほしいと思いました。

初めて僕がこう思ったのは、学部4年から修士に進学するときに先生とトラブルを起こして研究室を変えざるおえなくなった時です。その後にこの問題について考えたことは何回かあるものの、自分の状況が平穏だったので、先延ばしにしていたんですよね。

で、最近になって大学生でうつになる人や自殺してしまう人って結構いると知ったんですよね。そして、それが自分のすぐ近くでも起こっていたと知りました。

それから、自分なりにどうしたらいいのか?って考えていたんですけど、研究室が原因でも、そうでなくても、研究室の閉鎖性を軽減することで助けられる人がたくさんいると感じて、今この記事を書いています。

 

 

なぜ、教授ひとり、いち研究室が良くないのか

 

研究室のタイプを3つに分けると、こんな感じになると思います。

  1. 教授(もしくは、准教授)一人と学生数人の研究室
  2. リーダーの教授と学生の他に、中心に准教授、助教、ポスドク、秘書が在籍している研究室
  3. 複数の研究者と学生が集まっている研究室

1、2はいわゆる〇〇研と代表の先生の名前を冠している研究室で、3はテーマや分野が大体研究室名になっていると思います。

で、僕が問題視しているのは1のパターンです。といっても世の中の半数以上が研究室が1だと思います。

逆に3の研究室は世の大学では1%もないのではないでしょうか?でも、閉鎖性の観点で言うと複数の研究者が集まって組織を作っている研究室の方がいいと思うんですよね。もちろん、メリットデメリットはありますが・・・。

今から僕が書くことは、先生たちの中でも同じことを思っている人がいて、そういう先生は3の形態はとっていないものの、学生室を合同にしているところや、ゼミを合同にしているところ、そして事実上合同の研究室にしています。そもそも、大きな研究室に所属したほうがいいというアイディアは僕が前の研究室で悩んでいる時に相談した合同研究室を運営している先生から聞いた話です。

お前はどこに所属していたのか?って話なんですけど、学部4年の最初は2の研究室にいて、途中で研究室が崩壊して1になってしまって、その後また他の1の研究室に転室したって感じです。

1の先生一人と学生だけの研究室をなぜ問題視しているかというと、あまりにも閉鎖的過ぎるからです。

たしかに、初人数の研究室はテーマを絞って学生を研究に集中させられるし、マネジメントも楽なのはわかります。研究効率は絶対少人数でやったほうがいいです。

それでも、長期的に見たら、学生にとっても先生にとってもある程度大きな組織を作っておいた方がいいです。

 

 

人間関係に逃げ場がなくなる

 

人って相性ってあると思うんですよ。転室する前の研究室でのことを振り返ってみると、助教で鬱や出ていく人がいたり、学生でも帯状疱疹が出たりしてめちゃめちゃだったんですけど、僕が一番きつかったのが先生と合わないことでした。

研究室に入る前は自分と考え方が似ている人だなと思ったのですが、似すぎると同族嫌悪してしまいます。

ついでに、表面的な行動はかなりにているのですが、心の奥にある行動原理的なところは決定的に違うところがあって、先生の話すすべてのことに対して疑問を持ってしまいました。

人生で初めて人を生理的に受け付けない感覚を感じて驚いたのですが、学生7人に助教2人、秘書1人に先生という小さな研究室で、助教と秘書の方が相次いで出て行ってしまった研究室では僕が先生から逃れる余地がなかったです。

この逃げ場がないという感覚は本当に恐ろしくて、自分の中の世界がどんどん小さくなっていて、相対的に相性が合わない人の存在がどんどん大きくなっていくんですよね。

さらに、ブラックなところにいるとそれ以外の人とのつながりが希薄になりますが、結局、人は他人とのコミュニケーションをとらないと生きていけないので、余計研究室内の関係が濃くなって事故るということが起きました。

最終的に僕への言動がハラスメントぽくなっていましたが、僕もほかのメンバーが先生に対して嫌悪感を抱くように誘導したり、わざと研究室内で先生と学生間に対立が生まれるように仕組むようなことをしていて、僕も先生を追い詰めていたのだと思います。

6年間大学にいて感じるのですが、こういう先生の学生に対する嫌がらせは非常に多いです。いわゆるアカハラってやつですよね。特に多いのが、研究室内に1人怒られ役を作って、徹底的にその学生を全員の前で怒るというやり方をとる方法です。

学生全員を怒るのは骨が折れるので、メンタルが強そうな子を一人選んでその子をみんなの前で徹底的に怒ることでほかの人間も同時に指導する手法ですが、みんなの前で毎回怒られるのはかなりきついものです。

また、先生から学生へのハラスメントが注目されていますが、学生から先生へのハラスメントも起こりうるし、クローズアップされてないだけで実際に起こっていると思います。

先生たちが学生に抑圧的になる原因の一つにもう成人している学生に束になって自分に攻撃を仕掛けられたらヤバいという恐怖心があると以前から感じていました。で、実際自分の中に一人じゃ勝てないから集団になって先生を追い詰めてやろうという気持ちは確実にあったと思います。(周りの人が止めてくれたからよかったです)

こんなふうにトラブったらもう研究室はどうしょもないなと思います。先生と学生間だけじゃなくて、博士や修士が学部生をいじめるという話も聞きますし、恋愛沙汰のトラブルもよくある話です。

 

 

ある程度、研究室の人間関係に幅を持たせれば問題を自然治癒できる

 

先生一人、学生数人の研究室ではにっちもさっちもいかないことも、先生が数人、学生は十数人いて、テーマも複数あるという状態を作っておけば、僕みたいに研究室を変えなくても、研究室内で問題を解決できます。

例えば、どうしてもある先生とある学生の相性が悪い場合は、研究テーマやグループを変えてあまりその二人が関わらないような環境を作れば解決できます。

おススメなのは、学部4年の前期は少し広めに勉強しておいて、いざ研究に打ち込むぞとなったら学生間や先生との相性を見てテーマ決めることです。

学生通しでそうなった場合も席を話したり対応できます。

前の研究室で地味に困ったのはお昼ごはんで関係性が悪くなった人がいると、少人数の研究室ではどっちかを誘ったらどっちかは省くということが起きてしまいめんどくさかったことですかね。

そういう問題も学生が多ければ、なんとなく食べたい人で複数のグループが作れるのでうまく対処しやすいと思います。

人間関係だけじゃなくて、研究で問題が起きたときも小さいな研究室では指導できる先輩が限られてその人に負担がすべて行きがちですが、何人かいれば役割を分担することができますよね。

 

 

教授の独裁を防げる

 

ワンマンであることが研究室のいいところでもあるし、悪いところでもありますが、やっぱり独裁までいしまうと悪い方にしか転がらないと思います。

また、僕の昔の先生の話をすると、研究室を変更する決意をして彼のことを見たら、「なんてかわいそうな人なんだ」と憐みの感情が湧きました。

今、冷静に考えてもあの状況で一番どうしょもない状況なのは先生でした。

話はそれますが、前の研究室の教授は10万円以上する趣味の天体観測の機器を研究室のお金を横領して購入し自宅に持って帰っていました。

それだけではなく、購入した機器の設定や準備を学生に共用とするというありさまでした。(※半導体の研究室だった)

それがどうしても許せなくて、告発してやる!!って思い周りの先生に相談したところ「まぁ、あの人は横領しててもおかしくない」という反応でした。

それ以外にも、担当している実験の講義の授業準備から授業、レポートの採点までを学生に任せて自分は無断で授業に来なくなるなど信じられないことがたくさんあったのですが、彼がそうなってしまったのはそれを諫める人が誰もいなくなってしまったからだと思います。

同僚の先生たちもダメなことを知っているけど、放置という感じでしたね。

大学の教員同士って仲間というよりはむしろ敵という感覚の方が強いのだと思います。で、指摘すべきことがあっても「なんで、俺があいつのために行ったやんなきゃなんだ」って姿勢でした。

そうなると、独裁政治に拍車がかかるというか、学生で止めることは不可能になるので、ヤバいことにどんどんなっていきます。

でも、研究室内にほかの先生がいれば、もしそうなったときに同じ研究チームの仲間として自然に注意することができると思うんです。

だから、なるべくだったら、教授と助教のような関係じゃなくて、同じ年代、同じ地位の先生が複数に集まって研究室を運営したほうが健全ではないでしょうか。(先生どうしでもめる可能性はありますけどね)

 

 

学生が習得できるスキルの幅も広がる

 

これは僕の偏見かもしれませんが、大学にいる人は何かの能力に特化した人が多くて、すべてまんべんなく能力を持っている人は少ないと感じています。

で、師弟制の今の研究室では、学生は研究室の先生から研究者としてのスキルを学ぶので、師匠である先生の強いところを引き継ぐし、弱いところも引き継じゃうんですよね。

先生はそれでやってきたんだからそれでもいいのかもしれませんが、その学生が学びたいこと、もしくはこれから必要とされることとのミスマッチは起こると思います。

それに、いままで研究室外のポスドクに自分のテーマに関して指導してもらうという経験が2回ありましたが、研究室外の人の視点や知識、やり方はどれも自分(というか自分の先生)にないもので驚いたし、勉強になったということがありました。

なんで、分野が近いけど違う流派の研究者たちを集めて研究室を運営することで学生に指導できることも増えるし、先生たち同士もシナジーを産みだせるのではないでしょうか。

 

ということで、○○研はもうやめたらどうでしょうか、という話でした。結局この話って学校運営全体の話なんで、学生や研究者方が個人的に読んでも意味ないかもしれませんが、個人レベルでもあえて大きな研究室を選んでみるとか、学生レベルでほかの研究室と交流してみるとか、やりようはあると思います。

それでは。