修士2年になりましたが、研究室運営についていろいろ考えることが多くなりました。

自分はいろいろあって修士進学時代に研究室を変えていて、いまの研究室に移る前に普通の研究室とは何なのか知るために、いろいろな研究室の飲み会に参加したり、勝手に押しかけて行ったりしていました。

また、変更直前にも研究室見学をやり直していています。そのとき感じたのですが、学部3年の時には気にならなかったことがいろいろ気になりました。一度研究室に入ってからもう一度研究室を探すのも面白いかもしれません(転室活動?笑)。

今の研究室には研究内容や教育体制には特に不満はないです。やりたいことをやってるし、先生はゼミに熱心だし。

ただ、一つこれがな・・・って思うことがあります。

研究室に人がいない

メンバーは10人弱、ゼミは週二日ですが、ゼミのある日以外は本当に誰も研究室に人がいない。シミュレーションがメインの理論系の研究室ですが、ゼミ以外の時間は基本家で作業している。しかも、ゼミの日もギリギリか遅刻してきて、ゼミが終わると直帰する状態。つわものの先輩は研究室で回さなきゃいけないプログラムは家からリモートログインで回してます。

単純にモチベーションの問題かもしれません。確かに、今の研究室は大学の中ではホワイトだと認識されているし、成果がある研究室ってわけではありません。毎年論文出すか出さないかって感じ。

だから、集まる学生はあんまり頑張りたくない系の学生が多いんだと思います。実際先輩たちを見ているとそんな感じ。

博士も二人いますが二人とも外部の研究期間にも席を置いていて、そのうち1人なんか、卒業要件の査読付きの論文を外部から出そうとしています。

ある意味個人主義なのだと思います。そして教員含めて、みんな他人干渉されることも、干渉することもひどく嫌います。

それは、それで結構なのですが、割と体育会系かつ基本団体行動の僕にとってはつらい状況です。

結論から言うと、メンバー個人主義というのはありますが、研究室に人がいない一番の原因は学年ごとに部屋を分けている点にあります。3人部屋なので学生が一人になってしまう可能性が高いです。で、だんだん誰も来なくなります。だから、学生部屋は多少大きい方がいいよ(10~20人くらい)という話。

 

 

人がいない研究室はパフォーマンスが落ちる

 

人それぞれ、自分のスタイルがあっていいともいます。最近はリモートワークも推奨されていて、個人個人好きなように仕事して効率を上げるが世の流れですが、現状は研究室に人が来ないと研究室全体のパフォーマンスは落ちます。

週2で集まるので、そこで聞きたいことは聞けばいいということになっていますが、やはりリアルタイムに共有しておくべきことはあるので、聞いてしまえば一瞬で済むものを数日待つのは時間の無駄です。SNSで聞くというのも微妙ですね。

これは理論系の研究室あるあるだと思いますが、個人プレーが多すぎてチームで動くという時間がどんどん減っていくですよね。確かにコーディングは基本一人でやるものですが、お互いが何やってるのか全く分かってないという状況に陥っているし、ノウハウが全く共有されないので、研究室全体が成長しない。

別にペアプログラミングしろって言っているわけじゃないんですけど、デバッグしあったりとか、コードを教えあったりとかそういうことはしてもいいんじゃないでしょうか。あと、環境の共有ですね。これは、去年から全力で取り組んでいるので、後輩には多少、プログラミング環境についての知見は共有できてます。

ノウハウの共有ができないと個人が成長しても、研究室全体のレベルアップにはつながりません。いつも思うことですが、ちゃんと共有できていないと、できる学生が研究室を去った際に、持っていたスキルがロストテクノロジーとして研究室から永久に失われる。

さらに、これは去年の研究室と比較してなんですけど、結局家にこもって作業していると進みが遅いです。わりと皆さん一人でも黙々と作業できるタイプですが、家でやっていると他のことに時間を割くことが多くなって、研究に割く時間が減ると思います。

ちなみに自分は家で作業できないタイプです。家にいるとゲームしたりYouTube見たりする時間が増えるので、中高生時代から勉強は外でやるようにしていました。だから、今も毎日研究室に朝から行くようにして、逆に家では必要な時以外研究に時間を割かないようにしています。(結局ゼミが近くなると家でコーディングしていますが)

確かに、研究室で偉い方の人(先生、博士)は家(自室)にこもるとパフォーマンスが上がるタイプの人間のようで、一人でそれなりの仕事量を黙々とこなしているようです。(引きこもりだと思っていることは内緒です)

ただ、去年の修士2年や同僚、後輩はそういうわけではなく単純に研究室に来ないことで進みに支障が出ていたと思います。一番よくないのは教育によくない。ある程度できるようになったならば一人でやってもいいですが、特にコードが書けないのに一人でやっていると一向にできるようになりません。

逆に前の研究室では半導体の加工をする必要があったので、クリーンルームにこもって実験していました。みんな防塵服を着る必要があったので、めんどくさくて一度入ったら出ません。僕もクリーンルームで実験しながら片手間でコーディングしたり、資料を作成していました。そうなると自然に会話している時間が増えるし、結果的に研究に使う時間が増えて研究室全体のパフォーマンスが向上します。

ただ、別に僕も大学院生は研究室の仕事だけやってればいいとは思ってないので、それもどうかなって思います。セルフブラック化の危険性もありますし。

 

結局どう感じるか。少なくとも、一人でパソコンに向かっていると息が詰まる

 

現状何が一番嫌なのかというと孤独に作業を進めなくちゃいけないことです。

そもそもうちの研究室は学年ごとに部屋がわかれていて、3人部屋なので、実質1人という状態におちいりやすいです。

二人ってのも微妙で変に相手の動きが気になったりするし、こっちも気を使う。

一週間に1,2回は大学から帰り道で「あ、あ今日誰とも研究室で話てないな」って思います。昼に学部時代の友人とあえてごはんを食べたりしますが、それもめんどいって思ってます。

この研究室に入った人間はこうやって研究室に来なくなるんだなと思いました。一人で学生部屋にいても息が詰まるから、だったら家にいたり、バイトしてた方がましってなる。

実際去年はまさにそんな感じで、今年もおんなじことが繰り返されそうなのであえて、後輩の部屋をうろついたり、コンビニ一緒に行ったりしてます。そうじゃないとやってられないです。

 

 

学生を研究室に来させたかったら学生室を大きくする

 

転室活動しているときに、学生部屋をわざわざ壁を取っ払って3研究室合同にしている先生になんで、テーマも全然違う研究室と学生部屋を同じにしているのか聞いたら、「部屋にいる人数が少ないと、人間関係のトラブルが起こりやすい。逆に大きいと学生間で調整して自然に回避してくれる」といっていました。

先生的には、そういう学生の精神面のサポートって負担だし、今の僕の先生にはできそうにありません。

学生同士でうまく研究室を回すにはある程度学生室を大きくするのはありだと思います。

もしも、学生にもっと積極的に参加してほしければ、学生の意識の高い研究室と合同にするのは一つの選択肢です。人は流される生物なので、他人を見て多少まじめに働くようになるし、逆に働きすぎの学生は怠けている学生を見て他の時間もとるようになります。

最近思うことは、大学で教授になる人種は他人に流されるという概念がない、自分を貫くことができる人たちだということです。だから教授から学生に対してそういう配慮がないですが、大学にいる多くの学生は普通の人間なので、人の影響は常に受けるし、他人との関係性がないと努力できません。少なくとも僕はそうです。

特定の学生が相性が合わなかった場合も3人部屋でどうしょもないですが、10人学生がいれば学生間でお互いの言い分を聞くなり、席を離すなり対処すると思います。

 

ということで、研究室に学生来なくて困ってるんなら、部屋をまとめ、もしくはほかの研究室と合同にすることで学生室の大きさを大きくすればいいという話でした。