一昨年、岸田元総理が「育休中リスキリング」に言及して炎上しましたが、実際に育休をとってみていろいろ思うことがあったので、個人が思ったことを書いてみます(この記事も炎上するかもしれませんが・・・)。

前提として、自分は1児の父親で子どもが生まれてから3ヶ月だけ休業することになり、今は3ヶ月目に突入しています(岸田総理の発言のターゲットと自分はズレてますね)。

最初の数週間は本当に大変で睡眠不足と戦いながら、家事もまともにできず、親は悲惨な生活しながら、なんとか子どもの面倒を見ているという感じでしたが、2ヶ月目に突入したあたりから、徐々に自分の時間を持てるようになりました(あくまで自分だけで、妻は今もボロボロです)。

これを書くと子育て経験者の方からは「察しっ」という感じに思われるかもですが、1ヶ月くらいしたら深夜に子どもが泣いてても目が覚めなくなりました。妻が授乳していてもやることがないので寝たり家事したりしています。

代わりに家事はちゃんとやろうとは思っていて、3食は用意して、掃除洗濯もなるべく自分がやろうとしていますが、授乳の負担を考えると粉ミルクを自分が与えることがあっても自分のほうが圧倒的に楽ですね(子どもが1日10時間ちょっとしか寝ないし、一度に大量に飲まないで小分けにダラダラ飲むというのもありますが)。

 

余裕が出てきたら勉強したほうがいいのでは?と思うようになった

そして、余裕がでてきて思うことが、

「空いた時間に勉強したほうがいいのでは?」

ということです。

自分は日頃から勉強に関して理想的には、プロジェクトで使う知識は使う直前までに業務時間内に身につけるべきだし、汎用的なスキルに関しても業務の中で、会社が提供するリソースを使って身につけるべきだと思っています。そのうえで業務中に得た自分の能力は会社の資産であることを意識すべきだと思います。逆に会社の資産にしたくないのなら、業務外で勉強すべきです。

よくインフルエンサーのエンジニアが、IT従事者は土日も休まず勉強すべき的なことを言ってますが、そういうことを公然という人は逮捕されればいいと思います。

ただ、何もしてないと復帰後にブランクが取りもどせないのでは?とか、こうしている間にも同僚は新しいスキルを身に着けているのでは?とか思ってしまいます。

それに単純にあれについて調べて置きたいとか、あの技術を触っておきたいとか、あの資格ほしいなとか色々思います。

ということで、自分は勉強熱心とは程遠い性格ですが、メルカリで技術書やビジネス書を買ってぼちぼち勉強してます。開発自体は年末に終わっていたので大したことはしてませんが、個人開発のモバイルアプリをApp Storeに公開したりもしました。

 

勉強しないといけないは違うと思う

結局、一番自分が勉強しようと思う理由は、休業している状態で時間に余裕がでたことへの罪悪感だと思います。別に上司になんか言われたわけでもないし、逆に数ヶ月働かないなんて長いキャリアから考えたらなんてこともないから仕事のことは気にするなと言われていますが、感じる罪悪感を紛らわしたいと思っています。

ただ、妻を見ていると未だに睡眠時間が全然足りてない状態で(80%自分のせいです・・・、いや100%)、実際育休中に仕事の免許の更新のための試験勉強をしないといけないらしいですが、全く手が出せない状況です。

岸田元総理は「勉強しろ」といったわけではなく、「勉強するなら支援する」と言ったそうですが、この現状を考えるとそれでも炎上はやむなしだと思います。

それに、子どもにミルクをあげて、おむつを変えて、ごっこ紐で抱っこしながら散歩に毎日出かけるこの日々は十分充実していて、加えて新たなスキルや知識を習得しなければと思う自分は欲張りなんだと思います。育児に対する自分の中の価値が低い時点で問題ですね。

せっかく子どもと接する時間が取れるのだから、子どものためにも妻のためにも自分のためにも、もっと子どもとの時間を増やすべきです。妻は24時間すべての時間を子どもに費やしているという感じですが、自分は一部の時間を充てているだけで、勉強したり、家事に注力しているのは完全に逃げですね(この2ヶ月ちょっとで料理のスキルもかなり向上しましたが、結局育児以外のことも考えたいというのが本音です)。

ということで、育休は育児だけやってればいいというのが原則だと思います。時間があっても休みましょう。男の自分はそんな事ありませんが、女性の方は体にダメージが来てますし・・・。そのうえで余力があるなら勉強すればいいのではないでしょうか。自分みたいに他に意識を向けるのも必要だと思いますが、持ったいないなと後悔することになると思います。

 

自身や家族のためキャリア全体を考えた勉強はあり

育休中は育児だけやってて、あとは休んでればいいというのが基本だとしたうえで、キャリア全体を考えて今後の自分や家族のためにやっておいたほうがいい勉強はするべきだと思います。よく調べてないですが、あの炎上事件の発言はこういう意図でなされたものだと思います。

育休で休んでいても、復帰後は新たなプロジェクトやロールのために新しいスキルを要求されることはありますし、待遇面を考えて、資格試験や昇進試験の準備をすることは必要です。

正直自分は、子どもができてなかなか考えにくいというかモチベーションがわかないですが、他業界含めた転職を考えないといけない方もいると思います。

また、子どもがいるとどうしても、強引な働き方ができないというか、組織に提供できない価値があると思います。それを補う新たな価値を生み出すために新しい引き出しを作っておくための勉強は今後の家族のためにも必要のような気がします。

もちろん、復帰後は窓際をねらうとか(ちょっと早すぎる気がしますが)、非正規とかパート、専業主婦(夫)で行くというのもありです。でも、今後経済的に共働きじゃないとどんどん生活が厳しくなる可能性も考えると会社のためではなく自分の家族のための勉強は必要だと思います。

そもそも、これは業務外の勉強なのでそこで得た価値は会社の資産ではありません。だから何を勉強してもいいです。いわゆるリスキリング的に転職やキャリアップのための意識高めの勉強をしてもいいですし、生活のために経済や家計について勉強してもいいです。もちろん、子育てや教育について勉強することも大切だと思います。

要は、時間と精神と睡眠時間に余力があるなら未来の家族のために時間を勉強に使って投資しておいてもいいんじゃない?ってことです。

 

 

大層なことを書きましたが、これは全部自分への言い訳で、あからさまに技術書や資格の名前がタイトルに付いた本を妻の前で読んでいるのは、数時間おきにくる子どもが泣き出したタイミングで夫婦で顔を見合ったときに、妻に今行けないアピールをするのと自分が罪悪感を感じないようにするためです(クズです)。勉強しているふりしてyoutubeを見ていることもありますし、小説とか漫画を読んでいることもありますね(最悪です)。

あやせば数分で寝てしまうこともありますが、おむつ替えからミルクをあげて寝かしつけまでをやると、1時間コースで、自分から生まれた制御不能な自分とは別の人間と向き合うことから逃れているだけです。喜ぶべきことですが、子どもはものすごい勢いで変化(進化)していて、昨日まで通用していたことが突如使えなかったり、まったく見られなかった現象をひき起こすので、親の自分がついていけず恐怖を感じます。

これはIT関係者あるあるだと思いますが、人間よりコンピュータのほうが100倍扱いやすですね。人間から逃げて逃げて逃げ続けた結果今の仕事をしていますが(と言いつつITの仕事ってなんだかんだ人と対峙している時間のほうが長いですよね)、接客とか医療職とか自分は絶対ムリだなと心のそこから思います(それはお前だけだと言われそうですが・・・)。

それでは。