最近毎週のように大学で就活セミナー的な集会が開催され始めました。

毎週行くのはめんどくさいので毎回は行ってません。就活サービスから来ている人の話は内容が一緒なことも多いし、話が面白くなくてやんになっちゃうですよね。普通に授業とかゼミとかでいけない場合もあるし。

でも、先週なんとなく研究室のある棟にのエレベータに張り付けられた張り紙を見たら、”東北大の就活コンサルが来る”と書いてあったので、大学の就活コンサルってなんじゃいと思い行ってみることにしました。

増沢隆太さんって人が講師だったんですけど、話を聞いてみたら割とおおしろくて、IRの予算の見方とか、所属学会のホームページも役に立つとか、割と新しい話をきけたので書いておこうと思います。

理系の就活と文系の就活は別

常識なのかもしれませんけど、最近これ思うんですよね。

理系の大学と文系の大学って同じ大学だけど別物で、飲み会とかで高校時代の文系の知り合いと就活のことを話していても話がかみ合わなくて困るんですよ。

インターンでグループワークとかしていても、やっぱり文系と理系は露骨に話の進め方が違うので、混ざってやるのは非効率だなと思いました。

ついでに、時間の使い方も違っていると思います。理系って就活期間でもそんなに研究室を空けるわけにいかないし、僕の前の先生みたいに就活すること自体をあまりよろしく思ってなくて露骨に妨害してくる人もいます。

で、増沢隆太さん曰く「理系の就活は就活の進め方からESの書き方まで文系とは違う」という主張をしていて、やっぱりそうなのかぁと思いました。

そもそも、この人が何者かというと普通の企業のコンサルをずっとやっていて、たまたま東工大が学生のキャリア教育の教員のポストを得て、それからアカデミックの世界で理系の就職について考えてきたという人でした。

昔は東工大、今は東北で実際に学生の就活の面倒を見てきたという人です。今年からはマイナビで「理系の就活」という記事を連載しています。

まず、重要だと思ったことは、大手の就活サービスにとっての「就活生」は「文系の学部生」をターゲットにした言葉だということです。だから、ほとんどのコンテンツは「文系の学部生」向けに書かれているので、理系の修士にとっては参考にならない内容が混ざているので気をつけろとのことでした。

理系大学に焦点を絞ったサイトや冊子も中身は「文系の学部生」のために作った内容の使いまわしのことが多いみたいですね。

具体的には、ESの自己PRの記入例はバイトやサークルの話をするのが普通ですが、これは文系の学部生は他に話がないからそれらの話題が出やすいからで、研究室のネタがいくらでもある理系の修士生がその話をするのは不自然だそうです。

この話を聞いて思たんですけど、学部生にとってバイトやサークルは就活前に熱心に取り組んでいたことなので直近の話になりますが、修士になってサークルに熱心に取り組んでいる人は少ないだろうし、研究室が忙しくなればおのずとバイトに避ける時間は少なくなります。それよりも、今頑張っている、研究や研究室のマネジメント、人間関係の話をした方が今の自分をアピールできるのではないでしょうか。

他にもいろいろ理系の就活に密着した話がありました。メモとか取ってなくて忘れちゃったんで暇なとき上のサイトを見ようかなと思います。

研究がしたいなら、IR情報の研究予算を見よ

増沢隆太さんは今の専門外ではない分野をまずは考えてみてもいいのではと言っていました。

でも、どうしても今の分野の研究を就職してからも続けたい人は必ずIR情報を見なさいと言っていました。

IR情報は投資家向けに企業のお金の使い方を公表しているものです。これまでもIR情報は見たい方がいいということを言っている人はいましたが、研究職に就きたい人ほどIR情報が大切だそうです。

理由は簡単で研究をちゃんとやっているかがわかるから、例として出てきたのはソフトバンクとドコモでぱっと見同じような企業ですが、ソフトバンクの研究費は20億で、ドコモが500億。同じ業界のドコモが500億なのにソフトバンクは20億しか掛けてないということは、そもそもソフトバンクは技術研究はしてなくて、子会社や下請けの企業がやっているとわかるそうです。

研究にお金を使ってないところに研究したいといって行っても、そもそも採用してもらえる可能性は低いし、入社しても自分たちでは研究ができないという事態に陥るそう。

こういうことは表向きの見た目じゃわからないので、IR情報は見といた方がいいというお話でした。

ちなみに、自分の話をすると。夏に台湾の研究所で自動運転の開発をしてきたのですが、現在導入されている支援システムも含めこの分野の研究は日本の自動車会社では厳しく、ほかの企業や研究所で開発されたシステムを買って取り付けるということがあるようです。

具体的にはスバルは今までアイサイトを自分たちで作ってきましたけど、最近はあきらめて海外の自動車会社じゃない企業のシステムを使う方向にシフトしているそうだとか・・・。よく知んないですけど。

実際、日本の自動車会社でも支援システムとしてイスラエルのMobileyeを使っているところは結構あります。

自動運転は支援システムの障碍者検知のシステムに加えて、GPSやRider、人工知能にモバイル通信、GPUコンピューティングなど必要な技術はかなり多く、現時点で負けている日本企業のシステムが日の目を見る可能性は低いと思います。

こういうことはIR情報からじゃわからないと思いますが、自動車の研究したくても自動車会社に行けばいいというわけでもなさそうです。

ちなみに、ソフトバンクの子会社には自動運転やってるところがありますよね。

所属学会のホームページも見よ

もう一つ自分の分野の研究を続けるのにいい方法は自分の学会のホームページから会員やスポンサーになっている企業を見るという方法もあるそうです。

学会に何らかの形でかかわっているということは、その企業がその分野の技術を必要としているということで、自分の今までしてきた研究が受ける可能性が高い企業ということです。

自分のテーマが基礎的な内容で一見、企業での研究とは関係ない場合でも研究室で培った知識やノウハウが活かしやすいかもしれません。

それに、熱心に学会に参加している企業はそれだけ研究に力を入れているということになりますよね。小さくて普通に探していると見落としちゃうような企業でも、頑張って研究開発をやっているところはあって、そういうところを見つけるにはいい方法ではないでしょうか。

そうやって調べた企業に絞って就活を進めるのも理系の就活ではありだし、逆に理系しかできないアプローチだと思います。

このセミナーでちょっと増沢隆太さんに興味がわきました。最近は採用者向けのコンサルティングとかもやっているみたいです。

それでは。