先日、半年以上話していない後輩から電話が来ました。

「先輩の過去レポを写したら、図表をコピペしたのがばれて、今期の単位が全部なくなりそう・・・」

自分の書いたレポートはドロップボックスに入れてURLで共有できるようにしてるんですが、ついにコピペが先生にばれたやつが現れました。

過去レポの図表をパクっただけで、今まで取った単位をとられることもないし、実験の授業を落とすこともありません。

そんなことしてたら、日本の大学を卒業できる人は半分になっちゃいます。「再レポをちゃんと書きなおして提出すれば許してもらえる」と言いましたが、私の通っている大学では毎年数人はこういう事態になって、必ず誰かしらその学期に取った全単位を奪われます。

そうなったら留年は当然不可避だと思いますが、単位をはく奪される人とそうでない人の違いは、

文章はコピペでも、データは自分のものを使っているかいないか

 

先生たちだって、学生の多くが先輩からもらった過去レポを見てレポートを書いていることは知っています。先生たちが学生だった頃だって周りに過去レポ見ている人はいただろうし、先生の中にも過去レポを写していた人はいると思います、絶対。

まぁ今は過去レポはネットで一気に拡散しちゃうという問題がありますが、今日に始まった話じゃないです。

3年次に一回だけあたった30代の先生は、どうせ原理はみんなコピペなんだから、過去問を持ってる人と持ってない人の不公平をなくすために、結果と考察だけ書いてくればいいという先生もいました。

私的にはコピペでも原理は書くべきだと思うんですよね。卒論だって、前任者や参考文献の内容が入ってきます。半分の内容は完全コピペなんてことはどこででもある話です。むしろ、パクってもつじつまが合った文章が書ける。わかりやすい文章が書ける。そして、有用な文章を選んでパクるという能力は理系大学生の必須スキルだと思います。

自分もできるだけペーストはしないようにしてましたが、よくできた過去レポを探し出して写していました。10人分の過去レポを持っていたので、パッチワークのようになっていましたね。

それでも、すべて写して名前だけ変えるというのは確実に単位が飛びます。

こうれはもうしょうがないし、当然だ思います。丸パクリしたことがばれたら来年のために潔くあきらめましょう。

でも、原理や目的の部分だけパクった人で単位をはく奪された人は聞いたことがありません。

文系のレポートとは異なるのかもしれませんが、理系で他人の文章を見ることはパクっているのではなく参考にしているのです!あくまでも、参考。逆に参考とするものがなければ何も生み出さません。図書館で文献を探してくることはむしろ加点の対象になります。

じゃあ、ダメなパクリといいパクリは何が違うかというと、実験データをパクっているか、いないかです。



実験レポートを課す目的には、理系的な文章を書くことに慣れて、卒論や論文投稿時にまともな文章を書けるようにしようという目的と実験で実際に自分が得たデータを処理して、それなりな結果と考察を得るという目的の2つがあります。

前者にとって、過去問を集めてパクるということはむしろ正しい行いです(言いすぎました)。

でも、実験データをパクってしまったら、後者の要素が何もなくなってしまします。

めんどくさいけど、データを集めて、表やグラフにまとめて、数学的な分析を行い、考察を書くという行為は研究室での作業そのものです。だから、実験レポートは学部4年そして修士のときに研究室でちゃんと研究ができるように練習として出されるのです。

その過程をすべて放棄した人は研究室に配属できないと先生たちが考えるのは当然だと思いませんか?

研究室に配属された後に、エクセルでグラフも作れない後輩が配属されてきたら絶望することになりますよ。そんなこと自分が教えることじゃないって・・・。

この世界の文章(特に図表)には一定しきたりとかテクニックが存在しますが、それは慣れるしかないことなので習得するにはい少し時間がかかります。

だから、レポート課題というものは存在するのです。

話はそれますが、去年実験レポートの採点を経験しました。学部時代の研究室は修士1年が先生の担当の実験レポートの採点をすることになっていたのですが(それが嫌で研究室を変えた)、丸一日かかる作業で先輩たちが忙しいい時は手伝っていました。

公平な採点にするために20項目くらい採点事項があって(それも学生が作った)、その中にもちろん図表の書き方についての項目もあったのですが、1/4くらいの人はすべてバツ。というか今まで何を学んできたのか?という感じでした。

そういう人は3年の専攻コースの実験だったので今までは過去レポをコピペしていたけど、出回っている過去レポが少なくて手にはいらず、初めて自分で書いてみたら大変なことになったって人かもしれません。

だから、データの処理だけは自分でやりましょう。私も数値を扱うのはすごく苦手でストレスのかかる作業ですし、演目によっては無駄に複雑な式がでてくるので、エクセル関数を作るのは大変な作業でした。

エクセル関数はいちいち書かなくいいと思うんですよね。だから、ちゃんとエクセルで処理している先輩からエクセルのデータをもらうのはありだと思います。

中にはマクロを組んでいて自動的にグラフが出るようにしている人もいますが、そういうのを使うのはコピペと一緒なのでやめましょう。ただ、自分のデータを使っているのでバレないですが。

で、考察もまずは自分の実験結果から自分で考えましょう。ただ、ガチの科学者がめっちゃ実験してわかったことを我々が見いだすことは不可能なので、早々に過去レポを見ましょう。重要なのはパクるじゃなくて参考にするんです。やってることは同じですが、自分の中で、参考にさせてもらっているという謙虚さがあることが重要だと思います。



コピペがバレてしまったらどう対処するか

 

名前だけ変えて出してバレた人はしりません。そうじゃないのに落単の危機に立たされた人が留年をどうか回避するかについて考えたいと思います。

嘘はつかない。ものは言いよう。悪かったことは認める。

したてに出て、情状酌量をねらう。

この2つを頭に入れて先生に話して下しさい。このブログを読んでくださっている方から「おまえ、先生怒らせて研究室追い出されるやんけ!」って突っ込まれそうですが、本気で教授という人種を怒らせたことがある私だからわかることがあります。

まず、嘘はつかないでください。「この表は過去レポからコピぺしただろう?」って言われて「完全にオリジナルだ!」って答えるのはやめてください。

先生も根拠があるから疑っているんです。だいたい図表のコピペがばれる人は、前年からの変更点を変更前の状態で出した人だと思います。例えば使っている機材が去年と変更になったのに、図に去年の機材の型番が書いてあるとばれます。他にも試験管の数が4個から3個に変更になったとか。

確信がなければツッコミません。それなのにバレバレな嘘をつくと、大学関係者は学生になめられたと感じるのです。

あの世界の人間は学生になめられることを嫌い、恐れています。だから、それをされるとキレてしまうのです。時にぬれぎぬでも認める必要があります。

そのうえで、言い方を工夫するんです。絶対にパクったって言っちゃだめです。参考にしたんです。

×「期末試験が被ってて写した」→〇「とても、よくできた表だったので参考にした」

×「バイトの夜勤で寝不足だったのでパクった」→〇「もっとレポートの内容をよくしたいので参考にした」

「それで、あまりにも参考にしすぎてしまったので違いに気づかなかった」

ポイントはポジティブに言い訳をすることです。「めんどくさい」というネガティブな理由はナシです。理由の嘘を立証することはできません。だから聞こえのいい言い方をしましょう。

実際、理由なんて自分でもわからないものです。めんどくさいと思ってコピペした人も心のどこからにはクオリティを求めていたのではないでしょうか。そしたら、いいレポートにするためにやったんだと思い込んでしまえばいいと思います。そうやればちょっと自分の意識も上がるし。

自分をだましすぎると後々つけが回ってきますが、ここは留年回避のために自分をだましましょう。自分をだましてしまえば、学生の心を読んで来る先生も騙せます。というか、それが真実になるんですから。

もう一つ重要なことが、申し訳なさを出すことです。悪いことをしたなと思っていることがわかってもらえれば、今回はたまたまコピペしたけど、これからはしないのではないかと思ってもらえます。

そもそも、指摘してもらえることはありがたいことです。自分が採点していて去年の図表かなって感じたとしても絶対指摘しないです。めんどくさいから。

 

 

コピペしたことをばれないようにするには

 

剽窃チェッカーって知ってますか?異なる論文のおんなじ言い回しの文章見つけ出して、コピペを見つけ出すやつです。

東大の修論を剽窃チェッカーにかけたらほとんどコピペだったのが問題になりましたが、あれは文系の修論の話で、理系の学部生のレポートに剽窃チェッカーを使うのは不可能なので、剽窃チェッカーを使っていると言ってる人は嘘だと思います。

理由はまじめにやってる人でもテキストの文章はパクっているから。時には50枚を超えるレポートをすべてオリジナルの文章で書くのは不可能です。結局みんな何かを参考にして書いています。しかも実験内容もみんなん同じなんだから、剽窃チェッカーなんてかけたら全員コピペしていることになっちゃいます。

じゃあ、どうしてコピペはバレるかというと、前回の実験の違いが反映されていないところをみるのです。先生によっては毎年実験方法を少しづつ変えて反映されているかをチェックしている人もいます。例えば、毎年、薬品の混合比微妙に変えて、でる結果も変えるのです。こうしておけば、その人が何年の過去レポを見たかもわかります。

だからこそ、データの部分のコピペはやめましょう。逆に去年も10年前も明日も100年後も変わらないこと(原理)は自分で書かずにパクってしまえばいいと思います。

実験系の研究室にいると感じることですが、宇宙の物理法則は今日も明日も、100年後も、1億年後も同じはずなのに、同じ結果て二度と出ないんですよね。

その日の温度や、湿度、材料の状態(経過時間、メーカー)、実験者の精神状態で結果は変わります。失恋したら、失恋前の結果は二度と出せないと思ったほうがいいです笑。

自分は学部の時、たまたまビデオをとっていてうまくいった結果を卒研発表で流したのですが、研究室を出ていく前に引き継ぎとして再現実験をして、30回以上やったのにその結果を後輩の前で再現できなかったという経験があります。失恋したわけではないですけど。

それでも、なぜ結果が変わったのか考察したり、次同じデータを得るために努力することは大切なことです。だから、おかしなデータでも自分のデータを使いましょう。

 

 

最後に、結論ですがよほどのことがなければ単位をはく奪されることはありません。でも、やりすぎると留年します。

相談しに来た後輩はたまに行くフットサルサークルの代表で、前代表は過去レポじゃなくて友達のレポートを名前だけ変えて出したことがばれて単位をはく奪されたので、そうとう怯えていました。

重要なことは、グレーなことをしつつも自分の中で整合性を保つことと、レポートを書くことは自分のためだということを自覚することだと思います。

 

それでは。

(高校生、大学生に向けて記事を書いているのでよかったらTwitterのフォローよろしくお願います。就職とか研究生活について三日に一回くらいぼそっとつぶやきます。twitter.com/picker_wtb